I.オールジャパン!

 ある調査結果によれば、「百年に一度」とか「未曾有」と評される世界的な同時不況の中で最も悲観的  (不況だと感じる人が多い)なのが日本だとか。理由はよくわかりませんが、景気対策における政府の  政策対応の遅さ、悪さはその一因かもしれません。  本当にそうなのでしょうか。確かに矢継ぎ早に  発表される他国の対応と比べると、日本の今通常国会での審議はなにをやっているのかよくわかり  ません。「政局」ということでしょうか?    しかしながら、各国が打ち出している経済対策をよくみてみると結構バラバラなこともわかります。  米国では、「バイアメリカン」という言葉に象徴されるように保護貿易主義的ですし、欧州では、特に  ユーロ圏は各国の事情がそれぞれあってなかなかまとめるのが大変なようです。  その他新興国もマチマチです。    ただ、一つだけはっきりしている事実はありま す。    それは、他国通貨に対する円の独歩高ということです。世間では、「不美人投票の結果だ」なんて面白い?  ことを言う人もいます。もちろん、冗談めかしたつもりだとは思いますが。円高は、輸出に頼る日本の  多くの企業にとっての大きな打撃であることは間違いありません。でも、円高による逆のメリットだって  たくさんあるはずです。現にその恩恵を受けている方のお話もたくさん聞きます。    と、ここまで進めてきましたが、なんだか「お前は評論家なのか。まったくのんきなやつだ。不景気が  そんなに好きなのか。」とお叱りを受けてしまいそうです。    私は、評論家でも何でもありませんし、景気は良い方がいいに決まっています。ただ、申し上げたいことは、  今回の不況を他人あるいは他国のせいにしている人が多いのではないかということです。  「自分の責任はないのでしょうか?」と問うてみたいのです。というよりは、「何が自分にはできるのか。  何をしなければならないのか。」ということを!    今こそ、「オールジャパン!」  ピンチはチャンスです。                             − − 次号に続きます − −

(税理士 浦邊 謙佑)


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