I.民法改正に伴う相続税法の一部改正

 昭和55年以来約40年ぶりに相続に関する規律が見直されました(民法(相続関係)改正法)。  また、明治9年の太政官布告以来、約140年ぶりに成年年齢が見直されました(民法(成年年齢関係)改 正法)。 2019年1月13日:自筆証書遺言の方式を緩和 2019年7月1日:遺産分割前の預貯金の払戻し制度、遺留分制度の見直し、相続の効力等に関する見直し等 2020年4月1日:配偶者居住権及び配偶者短期居住権の新設等 2022年4月1日:成年年齢の引下げ  相続関係の改正は、高齢化の進展等の社会経済情勢の変化に対応し、残された配偶者の生活に配慮す る等の観点から配偶者居住権という新たな権利の創設等が決まりました。この民法改正に伴い、以下の ような措置が講じられます。 ・相続税における配偶者居住権等の評価額を次のとおりとすることとする。 (1) 配偶者居住権 建物の時価−建物の時価×(残存耐用年数−配偶者居住権の存続年数)/残存耐用年数×配偶者居住権 の存続年数に応じた民法の法定利率による複利現価率 (2) 配偶者居住権が設定された建物の所有権建物の時価−配偶者居住権の価額(3) 配偶者居住権に基づ く居住建物の敷地の利用に関する権利 土地等の時価−土地等の時価×配偶者居住権の存続年数に応じた民法の法定利率による複利現価率 (4) 居住建物の敷地の所有権等 土地等の時価−敷地の利用に関する権利の価額  成年年齢の改正は,18〜19歳の若者が自らの判断によって人生を選択できる環境の整備、積極的な社 会参加を促進する等の観点から民法の成年年齢を20歳から18歳に引き下げること等を内容とする民法の 一部を改正する法律が成立しました。これに伴い以下のような措置が講じられます。 ・相続税の未成年者控除の対象となる相続人の年齢を18歳未満(現行:20歳未満)に引き下げることと する。 ・次に掲げる制度における受贈者の年齢要件を18歳以上(現行:20歳以上)に引き下げる。 (1) 相続時精算課税制度 (2) 直系尊属から贈与を受けた場合の贈与税の税率の特例 (3) 相続時精算課税適用者の特例 (4) 非上場株式等に係る贈与税の納税猶予制度(特例制度についても同様とする。)

(税理士・行政書士 浦邊 謙佑) HP:ぜいりし.com 浦邊剛至税理士・行政書士事務所 ブログ:会計事務所の一日