V.ガーナ体験談 (8)

友人が勤務していたガーナの高校では、副業でタクシーの運転手をしている先生が何人もいたようです。 おこずかい稼ぎをするはずがそちらの方が忙しくなり、学校へ来ても眠くて授業にならず、自習にして しまうそうです。生徒は授業がつぶれてラッキー、親は先生に頭が上がらないため、どこからもクレー ムがこないのでその状態が野放しになっていたそうです。 また、ガーナの学校では先生はムチを使い生徒をコントロールします。 私が特別支援学校で知的障がいをもつ子どもたちへ学習指導をしていた時のこと。私がムチを使わずに 授業をしている様子を見た先生から「あなたもムチを使うべきよ」と言われました。 しかし、私は最後までそれを拒み続けました。 生徒が先生に対しリスペクトをしているのを良いことに先生が生徒を奴隷のように扱う光景も目にしま した。 ある高校では生徒のテストのできの悪さに先生が怒り、罰として山積みになっている石を右から左へ移 動するように命じ、それが終わると左から右へ元に戻させるとか、必要のない穴をひたすら掘らせその 後その穴を埋めさせるというような過酷で無意味で屈辱的な罰をさせていたそうです。 今の日本の教育現場では、考えられないこの様なガーナの学校の実態に大変ショックを受けました。

(P戸 由美)