II.災害関連税制が常設化

近年災害が頻発しているため、従来の災害減免法等の規定に加え、災害に対応するための税制上の規定 が平成29年から常設化されました。 以下の措置は、全ての災害に適用されます。 ・住宅ローン減税の適用の特例 ・財形住宅・年金貯蓄の非課税措置の特例 ・災害損失の繰戻しによる法人税額の還付 ・仮決算の中間申告による所得税額の還付 ・住宅取得等資金の贈与税の特例措置に係る居住要件の免除等 ・山林に係る相続税の納税猶予等の規模拡大要件の緩和 ・法人税・消費税の中間申告書の提出不要 ・被災酒類に係る酒税相当額の還付方法の簡素化 法人税・消費税については以下のような特例があります。 【災害により被害を受けた場合の法人税の特例】 災害により生じた損失の額は、その損失が生じた日の属する事業年度の損金の額に算入されます。また、 確定申告や中間申告を行うことで、過去に納めた法人税や源泉徴収された所得税が還付される場合があ ります。 【災害損失欠損金の繰戻しによる法人税額の還付 災害のあった日から1年以内に終了する事業年度において、災害損失欠損金額がある場合には、その事 業年度開始の日から1年(青色申告書の場合には2年)以内に開始した事業年度の法人税額のうち災害 損失欠損金額に対応する部分の金額について、還付を請求することができます。 注:災害損失欠損金額とは、棚卸資産や固定資産などについて災害のあった日の属する事業年度におい て災害により生じた損失の額のうち欠損金額に達するまでの金額をいいます。 【災害損失金額がある場合の仮決算の中間申告による所得税額の還付】 災害のあった日から6月以内に終了する中間期間において、災害損失金額がある場合には、仮決算の中 間申告において、控除しきれなかった所得税額の還付を受けることができます。 注:災害損失金額とは、棚卸資産や固定資産などについて災害のあった日の属する事業年度において災 害により生じた損失の額をいいます。 【被災代替資産等の特別償却】 特定非常災害として指定された災害については、発生日から同日の翌日以後5年を経過する日までの期 間内に、被災代替資産等の取得等をして事業の用に供した場合には、特別償却をすることができます。 消費税についても、災害により被害を受けた事業者が受けられる特例があります。 【災害等が生じたことによる簡易課税制度の適用(不適用)に関する特例について】 災害等が生じたことにより被害を受けた事業者が、当該被害を受けたことにより、簡易課税制度の適用 を受けることが必要となった場合、又は受けることの必要がなくなった場合には、税務署長の承認を受 けることにより、当該災害等の生じた日の属する課税期間から、簡易課税制度の適用を受けること、又 はやめることができます。 詳しくは最寄の税務署または税理士までお問い合わせください。

(税理士・CFP 廣崎 英子) HP:横浜の税理士 廣崎英子税理士事務所 ブログ:税理士 ときどき ランナー