II.仮想通貨の補償金

1月26日、約580億円分の仮想通貨NEMが不正流出した交換業者コインチェック。 3月には保有者に対し、日本円で補償金が支払われました。 この補償金についての税金はどうなるのでしょうか。 国税庁ホームページ「タックスアンサー」では、仮想通貨交換業者から仮想通貨に代えて金銭の補償を 受けた場合、損害賠償金として非課税所得に該当するのかとの問いに答える形で見解が発表されていま す。以下に引用します。 問  仮想通貨を預けていた仮想通貨交換業者が不正送信被害に遭い、預かった仮想通貨を返還することが  できなくなったとして、日本円による補償金の支払を受けました。  この補償金の額は、預けていた仮想通貨の保有数量に対して、返還できなくなった時点での価額等を  基に算出した1単位当たりの仮想通貨の価額を乗じた金額となっています。  この補償金は、損害賠償金として非課税所得に該当しますか。 答  一般的に、損害賠償金として支払われる金銭であっても、本来所得となるべきもの又は得べかりし利  益を喪失した場合にこれが賠償されるときは、非課税にならないものとされています。  ご質問の課税関係については、顧客と仮想通貨交換業者の契約内容やその補償金の性質などを総合勘  案して判断することになりますが、一般的に、顧客から預かった仮想通貨を返還できない場合に支払  われる補償金は、返還できなくなった仮想通貨に代えて支払われる金銭であり、その補償金と同額で  仮想通貨を売却したことにより金銭を得たのと同一の結果となることから、本来所得となるべきもの  又は得られたであろう利益を喪失した部分が含まれているものと考えられます。  したがって、ご質問の補償金は、非課税となる損害賠償金には該当せず、雑所得として課税の対象と  なります。  なお、補償金の計算の基礎となった1単位当たりの仮想通貨の価額がもともとの取得単価よりも低額  である場合には、雑所得の金額の計算上、損失が生じることになりますので、その場合には、その損  失を他の雑所得の金額と通算することができます。

(税理士・CFP 廣崎 英子) HP:横浜の税理士 廣崎英子税理士事務所 ブログ:税理士 ときどき ランナー