II.税理士の活用方法を見直す
この号が出るころはすでに確定申告のシーズンが終わっているころですが、税理士のお仕事としてまず
頭に浮かぶのが確定申告という人も多いと思います。
今回は税理士ってどういう仕事をするのかを少し書きますね。
税理士は、他人の求めに応じ、租税に関し
@ 税務代理
A 税務書類の作成
B 税務相談
を行うことを業とすると税理士法に定められています。
なんだか難しい表現ですが、他人の代理で税金の計算をして、必要な書類をつくって申告をしたり、税
金の相談にのったりするのが税理士のお仕事です。
税理士でない人が確定申告書を作成したり税務相談を行ったりすると税理士法違反で逮捕されてしまう
こともあります。
たとえ無報酬であっても、税理士の業務を反復継続して行うこと、反復継続して行う意思をもって行う
ことは法律違反となります。
もちろん他人の求めに応じて税理士でない人が確定申告等を行うのがいけないのであって、自分のため
に税理士でない人が確定申告を行うことは何の問題もありません。
国税庁のe-tax(電子申告システム)の機能も充実していますし、会計ソフト等を利用して確定申告書を
作成している方も多いと思います。
では、こんなにソフトが発達したら、税理士の仕事がなくなってしまわないかって?
いえいえ、大丈夫です。
税務書類の作成という面だけなら税理士の重要性は低くなっていくでしょう。でも税理士の仕事の本質
は書類作成ではなく、各種の相談や提案にあると思うのです。税理士は毎年変更される税に関する法律、
消費税の課税方法、今後の設備投資計画、法人化した場合のメリットデメリット等、いろいろな知識や
経験を駆使してクライアントに最適な方法をご提案できるのです。
世の中にはいろいろなコンサルタント等が存在しますが合法的に具体的な税額の計算までしてご提案を
できるのは税理士だけです。また、最適な税金を計算するためには、経営の内情をよく知らなくてはで
きません。税理士は経営者の信頼できるパートナーであるべきだとも思います。
書類作成は事後の作業で、相談やご提案は事前の作業になります。よりよい経営をするためには事前の
準備が大事なのではないでしょうか。
もともと、税理士に仕事を依頼している方も、税理士はお金がかかるから自分でするよという方も、今
一度税理士の活用方法を見直してみてはいかがでしょうか。