II.所得の種類

所得税は年々改正があり、ますます複雑になっています。 また、仮想通貨など、新しい商品や取引についても儲けがでれば申告が必要ですので注意が必要となり ます。 今回はその所得税について解説します。 【所得税とは】 日本の税法では個人の儲けに対して、所得税を課しています。 相続や贈与で得た財産については相続税や贈与税が課されるため所得税は課されません。 【所得の区分】 所得の性質によって次の10の区分に分けています。 1.利子所得 預貯金や公社債等の利子に係る所得 2.配当所得 株式の配当や投資信託等の収益の分配に係る所得 3.不動産所得 不動産の貸付等に係る所得 4.事業所得 事業から生ずる所得 5.給与所得 給与、賞与などの所得 6.退職所得 退職に係る所得 7.山林所得 山林を伐採して(または立木のまま)譲渡することによって生ずる所得 8.譲渡所得 資産を譲渡することによって生ずる所得 9.一時所得 懸賞の賞金や生命保険の一時金など 10.雑所得 年金や他の9種類の所得のいずれにも当たらない所得 所得の区分によって税金の計算方法が異なるため、どの区分に該当するかがしばしば問題になります。 例えば競馬の賞金は通常は一時所得となりますが、ソフト等を使って網羅的に行った場合に雑所得とな る場合があります。 また、ストックオプションを行使した場合にも、各種条件によって給与所得になったり雑所得になった りします。 【非課税所得】 個人の所得に課せられる所得税ですが、以下のようなものは非課税となります。 遺族年金 生活保護費 児童手当 宝くじの当選金 オリンピックメダリストの報奨金 ノーベル賞の賞金 保険金、損害賠償金 【所得控除】 所得税を計算をする際に所得金額から引くことができるのが所得控除で以下のようなものがあります。 扶養控除 配偶者控除 障害者控除 寡婦控除 勤労学生控除 基礎控除 社会保険料控除 生命保険料控除 地震保険料控除 医療費控除 寄付金控除(所得控除) 【税額控除】 計算された所得税額から控除できるのが税額控除で以下のようなものがあります。 配当控除 住宅ローン控除 政党寄付金等控除 【税率】 所得税の税率は累進税率となっていて、所得額が多いほど税率が高くなります。 195万円以下の部分については5%ですが4000万円を超える部分については45%となります。 【改正】 所得税は毎年改正が行われていますが、30年からは配偶者控除に大きな改正が行われています。 配偶者の所得が150万円までは満額の38万円の控除が受けられることになりました。いわゆる103 万円の壁が上がったことになります。 一方、配偶者控除を受ける本人(主に夫)の所得が1000万円を超えると配偶者控除は受けられなく なります。

(税理士・CFP 廣崎 英子) HP:横浜の税理士 廣崎英子税理士事務所 ブログ:税理士 ときどき ランナー