IV.労働時間等見直しガイドラインが改正されました
皆様は「労働時間等見直しガイドライン」というものがあるのをご存じですか? このガイドラインは、ワーク・ライフ・バランスの実現に向け、労働時間、休日数、年次有給休暇の取 得に関する事項などを労働者の健康と生活に配慮するとともに、多様な働き方に対応したものへと改善 する目的で策定されました。 内容は、ワーク・ライフ・バランス実現のため事業主に求められる取組事項(労使間の話し合いの機会 をつくる、年次有給休暇を取得しやすい環境の整備、所定労働時間の削減、在宅勤務・テレワーク等の 活用)についてが定められています。 今回の改正は、キッズウィーク(地域ごとに夏休みなどの一部を他の日に移して学校休業日を分散化す る取組)への対応や労働者が裁判員として刑事裁判に参画しやすくするとともに、本年6月に閣議決定 された「規制改革実施計画」で示された転職しても転職が不利にならない仕組みをつくる等に対応する ためです。 その改正点は次のとおりです。 1.「地域の実情に応じ、労働者が子どもの学校休業日や地域のイベント等に合わせて年次有給休暇を取 得できるよう配慮すること」が盛り込まれました。 2.「公民権の行使又は公の職務の執行をする労働者について、公民としての権利を行使し、又は公の職 務を執行する労働者のための休暇制度等を設けることについて検討すること」が盛り込まれました。 3.「仕事と生活の調和や労働者が転職により不利にならないようにする観点から、雇入れ後初めて年次 有給休暇を付与するまでの継続勤務期間を短縮すること等について事業場の実情を踏まえ検討すること」 が盛り込まれました。(社会保険労務士)