IV.海外各国との社会保障協定について
今回は、日本と社会保険協定の制度と締結している国、対象者、そしてその手続きにつき概略を案内い
たします。
国際的な交流が活発化する中、企業から派遣されて海外で就労する方、また日本に一時的に赴任にくる
外国人も年々増加しています。海外で働く場合は、働いている国の社会保険制度に加入をする必要があ
り、日本の社会保障制度との保険料と二重に負担しなければならない場合が生じています。
また日本や海外の年金を受け取るためには、一定の期間その国の年金制度に加入しなければならない場
合があるので、保険料の掛け捨てになってしまうことがあります。そういった不都合を解消するために、
いくつかの国では二国間で調整する協定が締結されています。
すでに協定が発効済な国は、ドイツ、イギリス、韓国等17ヶ国です。署名済だが未発効な国はイタリ
ア、フィリピン、スロバキアの3国です(平成29年8月時点)。
では、実際にどのようなケースが対象になるのかというと、海外の親会社、子会社から赴任される方、
日本で採用して海外に赴任する方で、その期間が当初から「5年以内」と見込まれる場合です。
外国人を日本で採用する場合は、日本の社会保険制度に加入することになるため、協定の対象とはなり
ません。
手続きは、被用者が一時的に協定相手国に赴任する場合は、事業主が年金事務所に「適用証明書」の交
付申請をすることになります。
また、海外の親会社、子会社から被用者が一時的に日本に赴任する場合は、事業主が協定相手国の実施
機関に「適用証明書」の交付申請をすることになります。
くわしい内容、手続きについては、管轄の年金事務所にお問合せしてください。