I.新ビジネス誕生のチャンス
最近公表されるわが国の有効求人倍率だったり、失業率だったりは統計開始以来の好調を保っているよ
うです。米国の雇用統計もおおむね好調なようですが、EUに目を転じるとその景色が様変わりします。
失業率の高さには目を覆うばかりですが、特に若年層の失業率の高さには驚きます◆その理由は、わが
国においては、報じられる各種経済統計指標に好調なものが多いことと、急速に進む少子高齢化による
人手不足がその原因とされています。また、米国においては、リーマン・ショック後の景気拡大が続い
ていることがその原因とされています。ところが、EUでは、デフレが懸念され、人口も増えているわ
けではないところから、移民の存在がその原因の一つとされています◆少子高齢化に伴う人口減少が進
むわが国ではありますが、先進国においても人口が増えているわけではありません。その反対にアフリ
カ地域では人口爆発という現象が続いています。現在は戦火を逃れた難民の方々たちが、移民として定
着するという流れがあるようですが、今後はアフリカ地域からの移民の流入に歯止めをかけるのはなか
なか困難ではないかと言われています◆英国のEU離脱は記憶に新しいところですが、その理由の一つ
がこの移民問題にあったことは既に報じられた通りです。さらに、EU加盟国のそれぞれも移民の受け
入れを巡って政治の世界では新しい潮流が生まれようとしています。移民政策そのものが政局の大きな
争点になってきていることが顕著になってきました◆翻ってわが国を考えてみると、生産労働人口の急
激な減少による影響が懸念されています。そんな中、声高に叫ばれているのが、生産性の向上なのです
が、その方法は各社業態によって異なるため、模索中というのが現状です。また、人口減少による国内
市場の縮小も懸念されています◆これから起業を考える皆さんにとって、国内市場の縮小や今後予想さ
れる恒久的な人手不足は大きな不安かもしれません。しかしながら、私自身は逆にこういった環境こそ
新しいビジネスが誕生するチャンスだと思っています。業種は同じだとしても、工夫次第で様々な困難
は乗り越えられるはずです。
II.クラウド会計を始めてみよう。
クラウド会計を導入する企業が増えてきています。そこで今回はクラウド会計について見ていきましょう。
【クラウド会計とは】
クラウド会計とは、インターネット環境を利用して会計処理を行うシステムを指します。インターネ
ットの環境があればいつでもどこでも会計処理を行うことができます。
【従来型会計ソフトとの違い】
従来型の会計ソフトはパソコンに会計ソフトをインストールし、会計データを自ら打ち込み、そのパ
ソコン上にデータを保存するというものでした。会計事務所が使うような少し大がかりなものになる
と専用のサーバーを入れて、サーバー上にデータを保存するタイプのものもあります。
【クラウド会計のメリット】
@ソフトのインストールが必要ない。
クラウド会計ソフトを使うと、専用のソフトというものが必要ありません。ブラウザからログインす
ればいつでも最新の状態の会計ソフトを利用できます。
Aいつでもどこでも利用できる。
データはインターネット上にあるサーバーに保管されているので、インターネットの環境とパソコン
があればいつでもどこでも会計処理を行うことができます。
Bデータの共有が容易
インターネット上にデータが保管されているため、ログイン情報さえわかれば誰でも最新のデータを
見ることができます。
例えば支店の経理状況を本店側がチェックすることも従来よりも簡単にできます。
また、会計事務所とのデータ共有も容易になります。
C自動仕訳
銀行の通帳やカードの情報を登録すれば、自動的にデータを取り込み仕訳してくれます。
また、AI機能がついているソフトも多いので手入力で修正した仕訳を参照して、次回からは自動でそ
の仕訳にしてくれるという便利な機能もあります。
【クラウド会計のデメリット】
@月々の費用がかかる。
クラウド会計は専用のソフトウエアを買う必要はありませんが、月々のシステム利用料がかかります。
使える機能の種類によって金額は変わりますが千円から数千円はかかります。
Aネット環境が必須
インターネット上のサーバーにデータを保管するのでネット環境がない場所ではデータを見ることが
できません。
B動作が遅い
ネット環境を通じてデータのやり取りを行うので、PCにソフトをインストールして処理を行う場合
と比べて、入力や参照に時間がかかることが多いです。
Cセキュリティが不安
インターネット上にデータがあるので、情報漏洩のリスクはあります。
【まとめ】
以上簡単にクラウド会計についてみてきました。まだ、発展途上にあるため、使い勝手が悪いところ
なども多々ありますが、これからはクラウド会計を導入する企業が増えていくのは確実ではないかと
思います。
アクシスケーではクラウド会計導入のサポートを行っています。
III.税務調査と人工知能
国税庁が発表した「税務行政の将来像」によりますと、情報通信技術(ICT)や人工知能(AI)を活用して納
税者の利便性の向上や課税・徴収の効率化・高度化を進めていくとのことです。
税務調査においては、納税者ごとの調査必要度の判定を精緻化したり、最適な接触方法や調査項目の提
示に統計分析の手法を活用することが検討されています。更正決定通知書等も、AIを活用して書類を作
成した上で、e-Tax を通じて納税者へ通知することが考えられています。
滞納整理では、納税者の納付能力の判定、接触方法・滞納整理方針の判定に。公売では、インターネッ
ト上の取引事例や画像データ等を自動収集し、ビッグデータを活用した判定・分析にAIの導入が検討さ
れているとのことです。
(Webデザイナー)
IV.海外各国との社会保障協定について
今回は、日本と社会保険協定の制度と締結している国、対象者、そしてその手続きにつき概略を案内い
たします。
国際的な交流が活発化する中、企業から派遣されて海外で就労する方、また日本に一時的に赴任にくる
外国人も年々増加しています。海外で働く場合は、働いている国の社会保険制度に加入をする必要があ
り、日本の社会保障制度との保険料と二重に負担しなければならない場合が生じています。
また日本や海外の年金を受け取るためには、一定の期間その国の年金制度に加入しなければならない場
合があるので、保険料の掛け捨てになってしまうことがあります。そういった不都合を解消するために、
いくつかの国では二国間で調整する協定が締結されています。
すでに協定が発効済な国は、ドイツ、イギリス、韓国等17ヶ国です。署名済だが未発効な国はイタリ
ア、フィリピン、スロバキアの3国です(平成29年8月時点)。
では、実際にどのようなケースが対象になるのかというと、海外の親会社、子会社から赴任される方、
日本で採用して海外に赴任する方で、その期間が当初から「5年以内」と見込まれる場合です。
外国人を日本で採用する場合は、日本の社会保険制度に加入することになるため、協定の対象とはなり
ません。
手続きは、被用者が一時的に協定相手国に赴任する場合は、事業主が年金事務所に「適用証明書」の交
付申請をすることになります。
また、海外の親会社、子会社から被用者が一時的に日本に赴任する場合は、事業主が協定相手国の実施
機関に「適用証明書」の交付申請をすることになります。
くわしい内容、手続きについては、管轄の年金事務所にお問合せしてください。
(社会保険労務士)
V.伝統と社会的現象
「大相撲」と「将棋」。日本の伝統的な競技が、大変なことになっている。直近の人気を見る限り、も
はや社会的現象と言っても良いだろう。ここ数年の盛り上がり自体でさえ目を見張るものがあったので
あるが、とにかく「すごい」の一言に尽きる。
「大相撲」の名古屋場所での横綱白鵬の優勝インタビューには恐れ入った。冒頭で「皆さん、サンキュ
ウ」と挨拶したのだが、今回の優勝が39回目であることにかけてのことだったのに気づくのに少し時
間がかかってしまった。用意の挨拶かと思いきや、場内の39というプラカードを見てのアドリブだっ
たそうだ。
その後も、「うまい棒」という商品名を挙げて、インタビューするNHKのアナウンサーに別の表現で
訂正させるといった、いたずらっ子ぶりもおかしかった。公共放送で具体的な商品名は禁じ手なのだが、
横綱自らがその禁じ手を犯してしまったわけだ。
かたや「将棋」の世界では、史上最年少でプロとなった藤井聡太四段が歴代の連勝記録を更新してしま
うという快挙を、プロ入り後無敗のままでやってのけてしまった。
いわゆる「勝負メシ」が非常に話題になったわけだが、対局の実況をするある番組では、解説者が藤井
四段と同じ食事を注文して、食レポを始める始末だった。その後、「この番組、将棋の番組として成り
立っていますか?」と心配する様子には腹を抱えて笑ってしまった。
将棋のルールを知らなくても、将棋の楽しみ方はいろいろあることにあらためて気づいた方も多かった
はずだ。タイトル戦の報道では、対局者の昼食やおやつが必ず紹介されているのだから、注目を集める
のは、僕から言わせればそれはむしろ当然だ。
ルールを知らなかったり、対局をしなくても、興味を持った時点であなたは将棋ファンの一人だ。イケ
メン棋士や美しすぎる女流棋士を応援するのだって立派なファンだ。ちなみに、僕の推薦するイケメン
棋士は、東の王子こと中村太地六段と西の王子こと斎藤慎太郎七段。美しすぎる女流棋士は、香川愛生
女流と室谷由紀女流だ。
(覆面ライター 辛見 寿々丸)