II.税務署への届出、申請は忘れずに

税金関連では税務署に対して各種の届出や申請が必要になります。 たとえば個人事業者が開業した時には「個人事業の開業届書」だけでなく、「青色申告承認申請書」、 「青色専従者給与に関する届出書」、「給与支払事務所等に関する届出書」などを提出しなければなり ません。 「開業届」は事業開始の日から1か月以内に税務署に提出する必要がありますが、遅れてしまっても罰 則はありません。 一方、「青色申告承認申請書」の提出は承認を受けようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後に 開業した場合には、開業の日から2か月以内)に提出する必要があり、1日でも提出が遅れるとその年は 青色申告をすることができなくなります。 このように、届出や申請でも期限までに提出をしないと、税制上の特典を受けられなくなったり、有利 な処理方法を選択できなくなったりします。 消費税についてもいろいろな届出や申請書があります。 輸出が多い事業者や、最初に大きな設備投資をする場合であれば、事業を開始したばかりであっても「 消費税の課税事業者選択届出書」を出すことによって課税事業者になり消費税の還付を受けることがで きる場合があります。ただし、一度届出を出すと一定期間は課税事業者のままとなります。 また、消費税の免税事業者が課税事業者になるときには、課税事業者になる前に原則課税か簡易課税に するかを決め、簡易課税が有利な場合には「簡易課税制度選択届出書」を提出する必要があります。 消費税の「課税事業者選択届出書」や「簡易課税制度選択届出書」は、それを適用する必要がなくなっ た場合には適用をやめようとする課税期間の前の課税期間に「課税事業者選択不適用届出書」や「簡易 課税制度選択不適用届出書」を出す必要があります。 不適用の届出が遅れるとその期間は適用があるものとして取り扱われるので注意が必要です。

(税理士・CFP 廣崎 英子) HP:横浜の税理士 廣崎英子税理士事務所 ブログ:税理士 ときどき ランナー