II.確定申告を間違えたら
所得税の確定申告を行ったあと、計算の間違い等に気が付くことがあります。その場合の対処法をまと
めます。
【訂正申告】
確定申告書を提出後、申告期限前に間違いに気が付いた場合には『訂正申告』を行うことができます。
この場合訂正した申告書に赤字で【訂正】と明記し申告期限までに提出すれば、訂正申告という取り扱
いになります。
税務署では、同じ申告者から複数の申告書の提出があった場合、最後に提出されたものを採用するよう
になっているのです。ただし、控除証明書や医療費の領収書などの添付書類を当初申告で提出済みの場
合は、収受印のある当初申告の控えをコピーして添付します。e−Taxの場合には訂正したものを再
送信すれば最後に送信したものが採用されます。
また、訂正申告前にすでに還付処理が行われている場合は訂正申告を受付できない場合がありますので
まずは管轄の税務署に問い合わせをしてください。
【更正の請求】
確定申告の申告期限が過ぎてしまった後に間違いに気が付いた場合には『更正の請求』または『修正申
告』を行います。
『更正の請求』に該当する方は、計算誤り等により税金を納めすぎていたり、純損失等の金額が過少で
あったり、あるいは還付金が少なかった方です。更正の請求をすることによって、税務署に妥当と認め
られた場合は、還付などが行われます。
通常の更正の請求を行うことのできる期限は、法定申告期限から5年以内となります。
※裁判の判決等の後発的理由により所得の金額等に異動が生じた場合又は前年分の税額等
について更正等があった場合等は、それらの事実が生じた日の翌日から2月以内が更正の
請求の期限となります。なお、提出期限が土・日曜日・祝日等に当たる場合は、これらの
日の翌日が期限となります。
【修正申告】
納める税金が少なすぎた場合や、還付される税金が多すぎた場合には『修正申告』を行います。
修正申告をする場合、新たに納める税金のほかに過少申告加算税がかかります。
この過少申告加算税の金額は、新たに納めることになった税金の10%相当額です。ただし、新たに納め
る税金が当初の申告納税額と50万円とのいずれか多い金額を超えている場合、その超えている部分につ
いては15%になります。ただし、税務署の調査を受ける前に自主的に修正申告をすれば、過少申告加算
税はかかりません。
(平成29年1月1日以後に法定申告期が到来するものについては、調査の事前通知の後に修正申告した場
合は、50万円までは5%、50万円を超える部分は10%の割合を乗じた金額の過少申告加算税がかかります。)
また、確定申告が期限後申告の場合は無申告加算税がかかる場合があります。新たに納める税金は、修
正申告書を提出する日が納期限となります。
この場合は、法定納期限から納付の日までの延滞税がかかります。