IV.最近の年金事情

先日、「国民年金保険料をずっと支払っていなかった方が厚生年金保険に加入したらどうなるのか」と いうご質問をいただきました。保険料を支払っていなかった方が60歳目前の場合、本人が「どうせ今 から支払ってももらえないのだから加入したくない」と言っているようです。 日本経済新聞によると国民年金の加入者数は1,800万人。そのうち4ヶ月以上保険料を滞納している人は 約620万人とのことです。少子高齢化により年金の財源不足が大きな問題となっていることもあり、2015 年度より所得400万円以上で7ヶ月以上の未納者に督促が行われます。 また2018年度には、所得300万円以上で7ヶ月以上未納の方にも督促が行われます。実際に、どういう流 れで督促が行われるのでしょうか? まず最初は、電話連絡、催告状の送付があり→ 特別催告状の送付 → 本人、配偶者等の所得調査  → 最終催告状の送付 → 納付督励、来所通知の送付 → 差押予告通知の送付→ 財産調査 →  財産差し押さえ、処分の流れとなります。催告状を無視して、放置してしまうと「支払う意思のない者」 とみなされ、財産差し押さえとなる可能性があるので、ご注意ください。 催告状は無視せずに、もし現在支払うことが不可能ならば、管轄の年金事務所へ行って相談してくださ い。所得によっては、保険料免除や支払猶予の制度が受けられる可能性があります。 また、本来は会社の厚生年金保険に加入するべき方に催告状が届いた場合、会社が遡って厚生年金保険 料を支払わなければならないことも考えられますので、ご注意ください。

(社会保険労務士 後藤 雅世) HP:後藤社会保険労務士事務所 ブログ:中小事業主と社労士受験生を応援する社労士日記