II.始めてみなければばわからない
年頭に今年の目標なり計画を立てる方も多いことと思います。昨年から事業計画書について触れてきま
したが、今年はその事業計画を実行に移していく段階になります。事業内容によっては、すぐに実行可
能なものもあれば、その逆に準備にそれ相応の期間を要するものもあるでしょう。いずれにせよ、今年
をどういう年に位置づけるかが今後の事業の実現にとって大事になってきます◆もちろん、事業計画書
なしでの起業や独立開業することは可能です。しかしながら、私の経験上から申し上げられることはこ
の計画書が後々にわたって重要な役割を果たすものになるということです。まず、事業を継続するうえ
で自分自身にとっての「道しるべ」になっていきます。他にも、例えば融資を受ける際や他社との提携
や支援を受ける際に活躍します。せっかく作成するのであれば、この二点ともカバーできるような内容
にしておけばよいわけです◆前号までで、「とりあえずの事業計画書」の作成はできました。今月はこ
の計画書を自分自身でチェックするポイントについて触れたいと思います。特に、他人に物事を依頼す
るための書類として使用する場合には、明瞭・簡潔・平易というのが基本になります。やたらと分量が
多かったり、専門用語を駆使しすぎてしまうと読む方もその時点で辟易してしまいます。事業に対する
熱意は伝わるかもしれませんが、かえって逆効果になってしまうことの方が多いようです。また、今回
も私がアドバイザーを務めるサイトを参考にさせていただくことをお断りしておきます◆さて、本題で
す。チェックすべきポイントとして10項目を挙げておきたいと思います。具体的には次のとおりです。
@事業計画の実現可能性A事業プランの独創性B対象とする客層の絞り込みCスタッフの確保D流通や
販売方法の検討E特許等の侵害F事業計画書の過度の専門性G事業計画書の量H内容の比重I事業計画
書とプレゼンテーションの役割◆個々の内容については、紙面の関係上次号で触れたいと思います。こ
の10項目のタイトルだけでおおよそのことは、想像できるかと思います。また、チェックを通じてこ
れまでの計画に確信なり自信が持てたり、その逆に新しい発見があったりといったことが期待できます。
最初から完全なものが作成できるわけでもなく、実際に事業を始めてみなければばわからないことが多
いのも事実です。だからこその面白さ、楽しさがあると私は思っています。さあ、夢へ向かっての輝か
しい一年のスタートです。