IV.職場のパワーハラスメントについて(その1)

先日、TVのニュースで「職場のパワーハラスメント」がとりあげられていました。労働基準監督署が、 自殺が、長時間労働と上司の「パワーハラスメント(パワハラ)」が原因として、労災認定している社 員についての内容でした。 最近耳にする「パワハラ」とは、厚生労働省のサイトによると、同じ職場で働く者に対して、職務上の 地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与 える、または職場環境を悪化させる行為と定義されています。 上司から部下への行為だけではなく、部下から上司や同僚同士の行為、また顧客や取引先の行為でもパ ワハラに当たることもあります。 パワハラに当たる行為は「業務の適正な範囲」を超えるものが対象になるので、行為を受けた者の受け 止め方によっては不満に感じる指示・注意・指導があったとしても「業務の適正な範囲」で行われてい る場合には、パワハラに当たりません。 典型的な行為としては、@身体的な攻撃(暴行・傷害)A精神的な攻撃(脅迫・侮辱・ひどい暴言) B人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)C過大な要求(業務上明らかに不要なことの強制、 仕事の妨害)D過小な要求(仕事を取り上げる等)E個の侵害(私的なことへの過度に立ち入る等)に 類型化されます。 CからEは、業務上の適正な指導との線引きが難しいことがありますので、職場で認識をそろえ、その 範囲を明確にしていくことが必要なのかもしれません。

(社会保険労務士)