II.平成26年 年末調整の留意点

今年も年末調整の時期となりました。 年末調整の注意点についてまとめます。 【年末調整】 個人の所得税は基本的には各人が1年間の所得とそれに課せられる税額を計算して確定申告をするのが 原則ですが、サラリーマンや公務員などの給与所得者については、事業者が年末に1年分の所得税の過 不足の調整精算をすることになっています。 【年末調整の対象となる人】 (1)1年を通じて勤務している人 (2)年の中途で就職し、年末まで勤務している人 (3)年の中途で退職した人で、年内に他の事業者 から給与を受ける見込みのない人。 ○給与収入が2000万円を超える人は年末調整の対象になりません。 ○2箇所から給与を受けている人は扶養控除等申告書を提出している事業所では年末調整の対象になり ますが、提出していない事業所については年末調整の対象になりません。 【年末調整の流れ】 @給与所得者は「扶養控除等申告書」、「保険料控除申告書兼配偶者控除申告書」に必要事項を記入し、 保険料控除証明書等の必要書類を添付して勤務先に提出します。 また、住宅ローン控除のある人ですでに最初の年の確定申告が終わっている人は「給与所得者の住宅借 入金等特別控除申告書」を提出します。 A会社では年間の給与と社会保険料、源泉徴収税額の合計額を集計します。 B年間の総支給額から給与所得控除額を差引いて給与所得控除後の給与等の金額を算出します。 C Bから社会保険料控除、生命保険控除、地震保険控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、 障害者控除、基礎控除等の各種所得控除額を差引いて課税される給与所得金額を算出します。 D課税される給与所得金額から年末調整のための算出所得税額速算表を用いて算出所得税額を算出しま す。 E算出所得税額から住宅ローン特別控除を差引いて年調年税額を算出します。 F年調所得税額×102.1(復興所得税分を加算する)をして年調年税額を算出します。 G年調年税額が1年間に源泉徴収された税額の合計額より少なければ税金が還付されます。 Hまた、年調年税額の方が多ければ税金が徴収されます。 【年調の留意点】 ○年調所得税を算出したあと復興所得税の計算が漏れていませんか ○過去分の国民年金保険料でも本年中に払ったものは本年で社会保険料控除できます。  逆に本年分の国民年金保険料で昨年中に前払いして社会保険料控除受けた分については本年では社会  保険料控除は受けられません。  では平成26年4月に始まった保険料2年前納制度の場合はどうでしょうか。 a)全額を納めた年に控除 b)各年分の保険料に相当する額を各年に控除 いずれかの方法を選択することができます。 b)の各年分の保険料に相当する額を各年に控除する方法を選択する場合には控除証明書とともに「社会 保険料(国民年金保険料)控除額内訳明細書」の提出も合わせて必要になります。 詳しくはこちらを参照してください。 http://www.nenkin.go.jp/n/open_imgs/info/0000022815vr5gMyFouo.pdf

(税理士・CFP 廣崎 英子) HP:横浜の税理士 廣崎英子税理士事務所 ブログ:税理士 ときどき ランナー