IV.国税庁のデータを使用し、厚生年金保険の
    加入逃れを阻止する動き

政府は厚生年金保険に加入していない中小零細企業など約80万社(事業所)を来年度から特定し、加 入させる方針である、という記事が、7月14日の日本経済新聞に掲載されました。 加入に応じない場合は、法的措置で強制加入させる方針とのことです。 加入逃れを放置することは、保険料を払っている企業や働く人の不満が強まり、年金への信頼が揺らぎ かねないと判断したためです。 対象企業を特定するために、国税庁が保有する、所得税の源泉徴収に関する事業所データ(名称、所在 地、給与支給人員等)を日本年金機構に提供する予定です。 日本年金機構は、そのデータと実際に厚生年金保険を納めている事業所のデータと照合して、税金は払 っているが、厚生年金保険料を納めていない事業所に対し年金加入を勧めていくとのことです。 データの照合が終わり次第、日本年金機構は、来年度にも、加入逃れが疑われる全事業所に文書や電話 で厚生年金保険への加入を求めていきます。 応じなければ訪問指導などを実施、最終的には立ち入り検査で事業の実態や従業員数等を把握し、強制 的に厚生年金保険の加入手続きをとる予定です。最終的には全事業所が厚生年金保険に加入することを 目指しているようです。 今までは強制加入といえども、厚生年金保険に加入したら事業が立ちいかなくなる等の理由で加入せず に過ごしてきた事業所も、強制加入になることを視野に入れて、従業員への説明や厚生年金保険料を加 味した資金計画、給与体系の変更を考えていかなければならないでしょう。

(社会保険労務士)