I.成果につながる事業計画書を作るには

今回は「事業計画書」について触れたいと思います。事業計画書に統一した様式はありませんが、様々 なひな形が提供されていますからそれを参考にするのも一つの方法であると思います。「起業あるいは 独立開業したけれどもなかなか成果が現れない、軌道に乗らない」といった事例では、この事業計画書 なしにスタートしてしまっているといったケースをよく見かけます。それほど、事業計画書は重要なも のといえます◆それでは、事業計画書はどう作ればよいのでしょうか?多くのひな型が提供されてはい ますが、どうしても作成に欠かせない事項があります。私がアドバイザーを務めているサイトでは主な ものとして、事業プラン名・事業内容・市場環境・競合優位性・市場アクセス・経営プラン・リスクと 解決策・資金計画の8つの項目を列挙しています◆個々の内容については次回以降で検討したいと思い ますが、全体の印象としては、定性的な項目と定量的な項目とが混在しているように見えます。ここに 一つ重要なポイントがあります。すなわち、定性的なものを可能な限り定量的に把握するという作業で す。一見定性的と思われる事項も実は数字に落とし込むことは可能です。完全主義者になる必要はあり ませんし、そもそもこれらの項目の内容もイノベーション等により変化するものです◆起業や独立開業 の目的や動機は何でも構わないと思いますが、最も大事なことはその仕事をどうやって継続していくか です。そのためにも事前に事業計画を書面で作成するという作業は欠かせません。事業継続の過程で当 初の計画を見直したり、修正したりというのはよくあることです。逆に、当初計画を忘れてしまってい る場合もあるでしょう◆内容等の具体的な検討は前述のとおり次回以降とさせていただきますが、忘れ てはならないことをひとつ挙げておきます。それは、出来上がった事業計画書についてチェックという 作業が欠かせないということです。自分で再チェックすることは当然としても他人の目から意見や質問 をもらうということも必要です◆事業計画書を作る段階で、「起業や独立開業はハードルが高いな」と いうイメージを持たれた方も多いかもしれません。計画書の作成には確かに、自身の得意分野のほかに マーケティングや経営、会計といった知識も必要にはなります。しかし、それらの基本的部分について は学べばよいことですし、それを超える部分はもはや専門家の領域です。もっとも重要なのは、それら の知識がなぜ必要なのかを理解していることです。

(起業コンサルタント 浦邊 謙佑) HP:ぜいりし.com 浦邊剛至税理士・行政書士事務所 ブログ:会計事務所の一日

II.準確定申告を忘れていませんか

<準確定申告> 所得税の確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得金額に対する税額を算出して 翌年の2月16日から3月15日までの間に申告・納税をすることになっています。 しかし、年の中途で死亡した人の場合は、相続人が、1月1日から死亡した日までの所得金額及び税額を 計算して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告・納税をしなければなりま せん。これを準確定申告といいます。 また、確定申告をしなければならない人が翌年の1月1日から確定申告期限までの間に確定申告書を提出 しないで死亡した場合前年分、本年分の2年分の申告が必要になります。 ※還付申告の場合は特に期限はありませんが還付請求権は5年間で消滅しますのでそれまでに行なう必 要があります。 <提出先> 提出先は、相続人の住所地ではなく死亡した人の死亡当時の納税地を管轄する税務署長になります。 <相続人が2人以上いる場合> 各相続人が連署(連名)で準確定申告書を提出します。 でも相続で争いがあって連署(連名)で提出できない時もありますよね。 そういう場合には各人が別々に提出することもできます。この場合、当該申告書を提出した相続人は、 他の相続人に申告した内容を通知しなければいけません。 <納税>  準確定申告の納付は、法定相続分または遺言による指定相続分がある場合には指定相続分によりあん分 して計算した額を各相続人が、納付することになります。 その遺言について争いがあるため各相続人の指定相続分が確定していない場合には、法定相続分により あん分した税額を各相続人が納付することになります。 <還付> 還付金が発生する場合には各人の還付金の額が相続人等の協議により決まっている場合にはその額を記 入します。 そうでない場合には法定相続等、民法の規定により求めた金額を記載します。 なお、相続人等が自分が受領すべき還付金の受領を代表者に委任する場合には別途委任状も必要になり ます。 通常、付表を連署で提出している場合に、一人が還付金額全額を受領する旨が記載されている場合には、 協議により還付額が決まっているとみなされ委任状が不要になることが多いようです。

(税理士・CFP 廣崎 英子) HP:横浜の税理士 廣崎英子税理士事務所 ブログ:税理士 ときどき ランナー

III.ユーザーからどう見えているかを調べる

あるサイトの1ヶ月のアクセス解析情報の中で「画面の解像度」という項目を調べてみたところ、20 種類以上もありました。 1920×1080(フルハイビジョン)から320×480(スマートフォン等)まで、いろいろなサイズで表示されて いるということがわかります。 Webサイトの表示確認については、なるべく多くのブラウザをインストールしてチェックすることが 理想的と、以前にも書かせていただいたのですが、その頃から比べてもOSや機種も多くなりユーザー からどう見えているのかを把握することは難しくなってきています。 たとえば普段使っているPCの画面上で適度なサイズに見える写真や表などの画像を何気なく表示して いると、解像度が低いノートPC等では画面の中で表示しきれず、スクロールしなければ全体がわから なかったり、閲覧に時間がかかるということもあるかもしれません。 表示確認をするディスプレイの画面の解像度は、ある程度変更できると思いますので、アクセス解析で 多かった種類の解像度に設定して表示確認してみましょう。 その他、アクセス解析でわかる情報としてはOSやブラウザの種類やバージョン、色数、言語、Cookie やJavaの設定などがあります。 どのように表示されているのかを調べることによって、より多くのユーザーの環境に合ったストレスの 少ないサイトを目指しましょう。

(Webデザイナー 三嶋 由紀江)

IV.国税庁のデータを使用し、厚生年金保険の
    加入逃れを阻止する動き

政府は厚生年金保険に加入していない中小零細企業など約80万社(事業所)を来年度から特定し、加 入させる方針である、という記事が、7月14日の日本経済新聞に掲載されました。 加入に応じない場合は、法的措置で強制加入させる方針とのことです。 加入逃れを放置することは、保険料を払っている企業や働く人の不満が強まり、年金への信頼が揺らぎ かねないと判断したためです。 対象企業を特定するために、国税庁が保有する、所得税の源泉徴収に関する事業所データ(名称、所在 地、給与支給人員等)を日本年金機構に提供する予定です。 日本年金機構は、そのデータと実際に厚生年金保険を納めている事業所のデータと照合して、税金は払 っているが、厚生年金保険料を納めていない事業所に対し年金加入を勧めていくとのことです。 データの照合が終わり次第、日本年金機構は、来年度にも、加入逃れが疑われる全事業所に文書や電話 で厚生年金保険への加入を求めていきます。 応じなければ訪問指導などを実施、最終的には立ち入り検査で事業の実態や従業員数等を把握し、強制 的に厚生年金保険の加入手続きをとる予定です。最終的には全事業所が厚生年金保険に加入することを 目指しているようです。 今までは強制加入といえども、厚生年金保険に加入したら事業が立ちいかなくなる等の理由で加入せず に過ごしてきた事業所も、強制加入になることを視野に入れて、従業員への説明や厚生年金保険料を加 味した資金計画、給与体系の変更を考えていかなければならないでしょう。

(社会保険労務士 後藤 雅世) HP:後藤社会保険労務士事務所 ブログ:中小事業主と社労士受験生を応援する社労士日記

V.ルール作りは将来を考えて

プロ野球界はいよいよクライマックスを迎えていますが、今夏の甲子園での高校生たちの熱い戦いも記 憶に新しいところです。その高校野球の世界で今年は専門家の間からその特徴として二つの点が挙げら れました。 第一点は、右投げ左打ちの選手が非常に多かったこと。 もう一点は、いわゆるエースで4番という選手が少なかったことです。 第一点目の右投げ左打ちの選手が多かった理由は、出場した高校生たちがメジャーリーグで活躍するイ チロー選手や松井秀喜氏を子供のころからリアルタイムで見てきた世代であることが大きな理由の一つ であることは間違いないでしょう。 打撃面で右打ちより左打ちが有利かどうかはわかりませんが、守備面では左投げとなるとポジションが 限定されてしまうという不利があります。 もうひとつのエースで4番という選手の減少については、現在プロの世界で二刀流を実践している大谷 選手のようなタイプの選手がめっきり減ったということです。 高校野球では連戦が続けば、投手は連投を余儀なくされ、結果として故障してしまうという姿をよく見 かけます。それを避けるためには、複数の投手を擁して戦わざるを得ないというのが大きな理由ではな いかと思います。 ファンとしては息詰まる延長戦や再試合のような熱戦を見たいものですが、子供たちの将来を考えると それも酷なことです。 高野連には子供たちの将来を台無しにしてしまわないようなルール作りを切に望みたいと思います。 それによって高校野球の魅力が失われるとも到底思えません。

(覆面ライター 辛見 寿々丸)