IV.キャリアアップ助成金
〜助成金の受給を考える前に〜
助成金とは、国や地方公共団体等が支給されるもので、返済不要ということが、融資と違う点です。
社会保険労務士は、厚生労働省が管轄する助成金の支給申請の代行を行っています。現在、一番多くお
問い合わせがある助成金は「キャリアアップ助成金」です。
この助成金は、有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といった非正規雇用の労働者の企業内での
キャリアアップ等を促進するため、これらの取組を実施した事業主に対して助成をするもので、導入す
る制度により、
@ 有期契約労働者等の正規雇用等への転換等を助成する「正規雇用等転換コース」
A 有期契約労働者等に対する職業訓練を助成する「人材育成コース」
B 有期契約労働者等の賃金テーブルの改善を助成する「処遇改善コース」
C 有期契約労働者等に対する健康診断制度の導入を助成する「健康管理コース」
D 労働者の短時間正社員への転換や新規雇入れを助成する「短時間正社員コース」
E 短時間労働者の週所定労働時間を社会保険加入ができるよう延長することを助成する
「短時間労働者の週所定労働時間延長コース」
と6つのメニューがあります。
各メニューに支給要件と支給金額が決まっており、違うメニューを複数導入することで、複数の助成金
を受給できることもあります。
ただ、助成金を受給する上で最初にやらなければならないことは、法律にのっとった適正な労働環境を
整えることです。まずは、自分の会社が適正な労働環境で運営されているかを専門家に相談してみまし
ょう。