I.「起業のリスク」をコントロールする
「起業文化を育てること=経済成長」とまで言い切れるかどうかはわかりませんが、「起業」が日本の
将来にとって大きな役割を持っていることは間違いないでしょう。様々報じられていますが、わが国で
は起業(独立開業でもよいかもしれません)する人の割合が他国に比べて非常に低いことが知られてい
ます。その理由は様々分析されているようですが、制度上の問題とリスクの問題が大きくかかわってい
るようです◆制度上の問題については一朝一夕に解決とはいきませんが、リスクについてはゼロという
わけにはいきませんがある程度コントロールすることはできます。ただ、「起業」⇒「失敗」⇒「?」
というケースについては、この「?」の部分を解決する何らかの制度上の整備は急務だとは思います。
いわゆる「セーフティーネット」と呼ばれる制度の仕組み作りです◆とはいえ、私の経験上から申し上
げれば、独立開業型の「起業」についてはリスクは低いというのが結論です。しかも、いわゆる「起業」
を類型化すれば最も多いのがこの「独立開業型」というのが私の見解です。この世にない全く新しいも
のやサービスを生み出したりというケースはごくまれです。例えば、新しい素材を開発したとしてもそ
の前には別のものが使用されていたといったようにです◆では、「起業のリスク」をコントロールする
にはどうしたらよいのでしょうか?答えはいたって簡単です。「起業」前であればすでに事業計画はお
持ちのことと思いますが、さらにブラッシュアップすることが必要です。独りよがりな計画を立ててし
まうのが人の常です。楽観的すぎたり、その逆に慎重を通り越して悲観的すぎたりといったケースをよ
く見かけます。他人の目を入れるということが重要になってきます◆つまり、専門家を徹底的に使いこ
なすことです。専門家にかかるコスト面など気にかかる点もあるかと思いますが、案外専門家というの
は良心的なものです。良いプランにしろ、そうでないプランにしろ初回の相談は無料という場合が多い
ように思います。複数アドバイスを求めても良いと思います。その中から、最も信頼できる専門家を選
べば良いわけですから。うまくいけば生涯の仕事上のパートナーを得ることができるかもしれません。