III.2次産業主導の6次産業化

馬車道駅の近くを歩いているとき、ドーム型のビニールハウスが設営されているのを見かけました。 どこかで見たことがあるような気がして調べてみたところ、2011年の「横浜ビジネスグランプリ」のフ ァイナルステージに出場していたベンチャー企業の「エアドーム式植物工場」だということがわかりま した。 横浜市が推進している「横浜発次世代植物工場技術発信事業」の一環として、新市庁舎整備候補地に期 間限定で設置しているそうです。 円形のプールに渦巻状に浮かべられた野菜が成長に合わせて外周に移動することによって、植え替えが 不要になり面積あたりの収穫量も倍増するという設計が画期的で印象に残っていました。また、太陽光 を効率よく取り入れる素材や構造、コンピュータで水や空気の流れを制御して、農薬を使わずに安定し た品質の野菜を作る等、最先端の技術を駆使しています。 横浜市はこのほかにもオフィスビルの1フロアでLEDの光で野菜を栽培する「LED菜園」の運営も 行っているそうです。 6次産業化といえば生産(1次産業)+加工(2次産業)+販売(3次産業)という計算式ですが、野 菜を工場で作るというのは生産の部分が2次産業なので、少し違った新しい形なのかもしれません。い ずれにしても、農業人口の減少や人手不足、食料自給率の低下といった問題を解決していくことが期待 されていると思います。

(Webデザイナー 三嶋 由紀江)