V.クラシック音楽の楽しみ方

 音楽鑑賞が趣味だという方は多いと思いますし、その楽しみ方もいろいろだと思います。中でもクラ シックと呼ばれるジャンルの音楽の楽しみ方は多様です。音楽そのものではなく、ある作曲家に関し、 その時代背景だったり、個性や生涯に注目するという楽しみ方をする方も多いようです。私自身もその 一人です。もちろん、音楽を聴くことの方が好きなのですが、その楽曲が生まれた背景がわかればもっ と楽しめるのではないかと思うからです。  例えば、映画化されアカデミー賞を受賞した「アマデウス」という作品があります。  これは、モーツァルトを主人公にしたものでしたが、この映画によってサリエリという作曲家を知る ことができたり、テーマ曲に使用された交響曲25番を知ることができたりという思わぬ収穫があって 楽しいものでした。  音楽評論家の方々は全く評価していなかった25番でしたが、自分にとってはお気に入りのものとな っています。  モーツァルトに限らず、ベートーヴェンに代表されるようにそれぞれの作曲家が興味深い逸話を持っ ています。  また、時代という観点からは、当時の楽器に極限まで類似したものを使用して、譜面通りの演奏を試 みるという指揮者や楽団もあります。  これではまるで音楽学の研究のようですが、普段聴きなれているものとは全く異なるテンポには驚か され、これはこれでありなのかもしれません。  自分が聴いて「これは!」と思うものが誰が何と言おうと一番なのですから。

(覆面ライター 辛見 寿々丸)