II.アパートを賢くかりましょう

 新年度を迎えるにあたって、アパートを新しく借りる方や借り替える方も多い時期です。アパートを 借りるには賃料のほか、敷金(場合によって保証金)、礼金、仲介手数料、火災保険料などが必要にな ります。  最近は敷金、礼金なしという物件や、フリーレントという契約の物件も出てきています。  敷金(場合によっては保証金)とは、家賃の滞納があった場合や、通常の使用では発生するとは考え られない汚れや破損があった場合の修繕費にあてるための担保として大家さんが預かっているお金です。 家賃の滞納がなく、部屋の汚れが通常の使用の範囲であれば退去時に返還されます。  万が一、家賃を滞納してしまったり、部屋の壁に穴をあけてしまったなどの通常の使用ではありえな い修繕が必要なときはその分の金額が敷金から相殺されて返還されます。滞納や修繕費が敷金の金額を 超えてしまった場合には超えた部分について借主が支払う必要があります。  敷金の相場は地域や物件によってもマチマチですが通常家賃の1ヶ月分から3ヶ月分くらいが多いよ うです。  敷金ゼロという物件は手持ちの現金が一度に減らないので一見魅力的に思えますがわけありの物件だ ったり、家賃がその分割高だったり、契約途中の解約に対して違約金が発生するなどトータルで計算す ると支払額が多くなる場合もありますので注意が必要です。  「礼金」とは、部屋の大家さんに支払う「お礼」のお金です。  これは入居時に一回だけ支払うものですが敷金と違って退去時に戻ってきません。最近は敷金同様に 礼金も0円とする物件が増えていますが、その分家賃に上乗せされている場合もありますのでトータル で考えることが大事です。  その他に仲介手数料0という物件もありますが、その分が礼金に上乗せされていたり、保証会社やセ キュリティ会社のサービスが加算されてしまっている場合もありますので契約書をよくチェックして判 断する必要があります。  また、最近増えてきたフリーレント物件とは当初何ヶ月間か家賃をただにするという物件です。この 場合は当初数ヶ月間は賃料は0円なので、何かと物入りな引越し当初には助かりますが、契約期間中の 解除が不可(解約の場合残りの期間の賃料支払いが必要)、契約期間中の解約の場合には当初無料期間 中の家賃を支払うものなどがありますので短期で借りる可能性がある場合には注意が必要です。  また、当初の無料期間中の家賃分について、通常の家賃に上乗せされていることもありますので長期 間借りれば割高になるというデメリットもあります。  アパートを借りるときには契約書をよく読んでトータルでの費用も考慮してから契約してください。

(税理士・CFP 廣崎 英子) HP:横浜の税理士 廣崎英子税理士事務所 ブログ:税理士 ときどき ランナー