I.社会や市場の変化を把握する
新年度のスタートにあたり、自分のことは当然としてもなぜか他人のことも妙に気になります。個人的
に一番気になるのは、ポスティングシステムによりニューヨーク・ヤンキースへ移籍した田中将大投手
です。すでに今年限りの引退を表明している同球団のデレク・ジーター選手が遊撃の守備位置から投手
マウンドへ「マークン」と声をかけていることが話題になりました。さらに、ジーター選手は「マーク
ンはピッチングはグッドだけどイングリッシュはノーグッド。僕の日本語の方が彼の英語よりグッドだ
よ。」とメジャーリーグを代表するスーパースターらしいジョークで田中投手のことを評しているよう
です。それはともかくとしても活躍を期待したいものです◆今年の大雪には参りましたが、そんな中ほ
のぼのとした出来事が報じられました。本物のアンパンマンが現れたというニュースです。ご記憶の方
も多いと思いますが、中央自動車道談合坂サービスエリアで山崎製パンのトラック運転手が、多くのド
ライバーにパンを無料配布したことで話題になりました。どうしてこんなことができたのかについては
同社独自の物流システムがその背景にあったそうです。商品の配送は専業の物流業者に委託することが
多い中にあって、同社では子会社がその運用を行っており、それが同社の経営戦略にもなっているとの
ことです。効率性ばかりを重視するのが正しいのかという点で大きなヒントになりそうな出来事でした
◆ヒントという点では最近のコンビニエンスストア業界の動向が気になります。近頃、家電をはじめと
して高機能商品がやたらに多いことに辟易しています。とにかく機能が多すぎて使い方を覚えるのにか
かる手間暇は半端ではありません。高機能な商品は人によってはありがたいものなのかもしれませんが、
過剰な高機能商品は多くの消費者のニーズからどんどんかけ離れて行ってしまうことを危惧します◆そ
の点、最近のコンビニエンスストアの商品やサービスは消費者の目線を非常に重視しているように思え
ます。言い換えれば、社会や市場の変化に非常に敏感だということです。この姿勢は海外展開を図る上
でも最も重要なことになってくることでしょう。その国や地方の実情に合わせ、消費者ニーズをきめ細
かく把握することによってさらなる展開が期待できるということ。他の多くの産業でも学ぶべき点が多
いような気がします。コンビニ店を経営する友人は海外旅行が趣味なのですが、「海外へ行っても自分
のお店と同じマークだらけで気が休まらない」とよくぼやいてはいますが。