II.不動産賃貸の確定申告に注意

確定申告の時期となりました。 アパート経営を事業として行っている方だけでなく副業として不動産賃貸を行っている方もいらっしゃ ると思います。 税務署では不動産の賃貸所得がある個人についての調査を強化し始めています。 そこで今回は確定申告で税務署のチェックを受けやすい項目について見てみましょう。 1 売上げについて 最もチェックされる事項は未回収の家賃について、きちんと収入に計上しているかどうかです。 家賃が未回収で実際には現金が入っていないなら、入った時に売上げに上げればいいではないかと思わ れる方もいるかもしれませんが、小規模事業者*で「現金主義による所得計算の特例を受けるための届 出」をしていない人はそのような方法をとることはできません。 *小規模事業者とは、その年の前々年分の不動産所得の金額及び事業所得の金額(事業専従者給与(控除)  の額を必要経費に算入しないで計算した金額)の合計額が300万円以下である方のことです。 2.経費について 全体的に賃貸事業に係る経費と私的な支出がきちんと区別されているかチェックします。  @租税公課   固定資産税等の経費について賃貸していない部分のものまで含めていないか  A借入金利子   賃貸部分でない部分の利子も含めていないか。   不動産所得が赤字の場合に土地に係る部分の利子を含めていないか。   元本返済部分まで経費にしていないか。  B修繕費   賃貸部分でない修繕費まで含めていないか。   資本的支出(建物の価値を高める支出)を全額修繕費にしていないか。  C交際費、水道光熱費等   私的な交際費や自宅部分の水道光熱費が入っていないか。  D車両関係   減価償却費やガソリン代などについて100%経費とする場合に私的な利用が一切ないのか。 3.青色申告特別控除 賃貸不動産が「おおむね5棟以上か、アパートなどなら10室以上」などの事業的規模でないのに65万 円控除をしていないか 以上主なチェック項目をあげましたが、その他にも不動産の利用状況によっては経費と認められない項 目などもあります。 詳しくは最寄の税務署か税理士までお尋ねください。

(税理士・CFP 廣崎 英子) HP:横浜の税理士 廣崎英子税理士事務所 ブログ:税理士 ときどき ランナー