II.消費税が8%になったらしなければいけないこと

10月1日、安倍首相は来年4月1日から消費税を8%に引き上げることを正式決定しました。 増税の影響について●納税資金の資金繰りの重要性●消費税転嫁の2点について考えてみます。 ●納税資金の資金繰りについて  消費税引き上げ前と消費税引き上げ後で納税額がどのくらい変化するか簡単な例でシミュレーション  してみましょう。  <前提条件>  税抜き売上げ高1000万円 税抜き経費800万円 利益 200万円の場合  <消費税5%の場合>   売上げに係る消費税(50万円)− 経費に係る消費税(40万円)=消費税の納税額(10万円)  <消費税8%の場合>   売上げに係る消費税(80万円)− 経費に係る消費税(64万円)=消費税の納税額(16万円) 税抜き売上げ高と税抜き経費、利益が同じでも消費税の納税額は6万円増加します。消費税はお客様か ら消費税を受け取る時期と税務署に納付する時期にタイムラグがあるので滞納しないようにするために は、より一層の資金繰り計画が必要になります。 ●消費税の転嫁について  次に消費税引き上げ後に増税分を価格に転嫁する場合としない場合で利益がどのくらい変化するかシ  ミュレーションしてみましょう(単純化のため税込み経理にしています)  <前提条件>  税抜き売上げ高1000万円 税抜き経費800万円 利益 200万円の場合  <消費税8%を売上げに転嫁した場合>   税込み売上げ1080万円−税込み経費864万円−租税公課(16万円) = 利益 200万円                                → → 利益は変わらない  <消費税8%を売上げに転嫁しない場合>   税込み売上げ1050万円−税込み経費864万円−租税公課(13.7万円*)= 利益 172.3万円  (増税分を転嫁してない) (増税分が転嫁されている) *1050万円x100/108x8%-864万円x100/108x8%                                → → 利益が減少 消費税を適正に売上げに転嫁しないと利益が減少します。 (適正に転嫁したとしても納税額は増えますが・・・) 電車運賃などは1円刻みの改定で消費税転嫁を予定しているようですが、そうもできない業種では、商 品による価格設定見直しなど様々な転嫁策を考える必要があります。

(税理士・CFP 廣崎 英子) HP:横浜の税理士 廣崎英子税理士事務所 ブログ:税理士 ときどき ランナー