II.日本復活のチャンス
9月8日の早朝、日本中が歓喜に沸きました。2020年開催の夏季五輪開催地が東京に決定した瞬間
です。招致成功の舞台裏については、各メディアが様々な角度から報じていますのでそちらに譲ること
にします。ただ、個人的には福島外し(汚染水問題)があったことを非常に不快に感じています◆福島
についての発言が少なかったことについて質問された首相は、「五輪は東京で行われます。福島ではな
いんです。」と答えました。その発言の真意は、東京は安全です。そのためには、福島の問題は政権が
責任をもって対応します。もちろん、避難生活を余儀なくされている方に対しての発言でもあったはず
です。確かにその通りですし、説得力もありました。福島の問題は、この場で国際公約となったわけで
すから、国家をあげて対応し、一日も早い収束を望みます◆朗報に水を差すのはこの辺にしますが、日
本が不得手とされてきた分野でオールジャパンの力を現実の成果として勝ち取ったことは称賛に値する
でしょう。今後、TPP交渉その他の分野での他国との交渉に弾みがつくことが期待されます◆この招
致活動に際し、猪瀬東京都知事は財務の強さを強調していましたが、同じスポーツ界ではサッカーのJ
リーグでは資格制度の中で財務について大きなハードルを設けています。その中身は、監査済みの年次
財務諸表を提出し、Jリーグの審査を受けること。その際、3期連続の当期純損失(赤字)を計上して
いないこと(12年度〜14年度の3年間以降で算定)および債務超過でないこと(14年度から算定)
が必須条件となる。とかなり厳しいものになっています◆話が横道にそれましたが、2020年という
年は我が国にとって特別な意味を持っています。先月も触れましたが、中期財政計画の最終年度が20
20年度です。この年度には、基礎的財政収支=いわゆるプライマリーバランスを黒字にするという財
政健全化の方針をG20の席で首相が表明したばかりです。閣議決定後には国際公約となるわけですか
ら、首相は大きな国際的な約束を短期間で決断したとも言えます◆今春に、今年は「日本復活」の予感
がすると小欄で書きました。五輪開催へ向けて国内経済には追い風が吹いていることは間違いありませ
ん。千載一遇のチャンスです。この風を十分に生かす方法を国家だけではなく、私たち国民一人ひとり
が考え、行動する必要があるでしょう。五輪開催までがピークではなく、少子高齢化の最先進国として
本質的な意味での豊かさを世界に先駆けて発信したいものです。それこそ、後にグローバルスタンダー
ドと評価されるような!