IV.経理のプロを目指そう (13)

一般的に「決算書」と呼ばれる、貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書などの財務諸表は、 経理の仕事をしている方であれば多々目にすることがあるのではないでしょうか? 財務諸表は、会社の経営状態を数字で提供してくれる大切な資料です。 キャッシュフロー計算書(C/F)の目的は、前回書かせて頂いたとおり、キャッシュの増減と原因を示 すことにあります。 貸借対照表は、一定期間における会社の資産、負債、純資産(資本)の状況(残高)を報告する決算書 であり、英語ではバランス・シート(B/S)と呼ばれ、表の左右がバランスすることが鉄則です。 「資産=負債+純資産」となり、資産の合計額が負債と資本の合計額と一致するので、調達された資金が 多くなればなるほど、会社の資産も増えていきます。 ただ、資産が大きいから良いということでもなく、借入をすれば資産が増加すると同時に負債も増加します。 負債が少なく資本が大きい時、会社は健康な状態であると言えます。 もう一つの財務諸表、損益計算書(P/L)は、会社が1年間にどれだけ利益と損失を出したのか、その 過程を段階を追って表した表です。 まず、会社の本業である営業活動における損益を計算し、次に、本業以外での損益を計算します。 最後にたまたま入ってきたり出ていったりした臨時的な損益を計算し、税引前当期純利益を算出します。 会社の繰越分の利益は、B/Sの純資産に取り込まれ、P/Lで計算された利益のキャッシュの残高の理由 を示すのがC/F計算書であり、最終的な増減額を明らかにします。 つまり、それぞれの表がつながっているのです。 決算書を分析すれば会社の状態がわかります、経理のプロとしてはぜひ分析できるようになっていきましょう!

(企業会計アドバイザー 米山 裕子)