IV.経理のプロを目指そう (12)
経理の仕事をしていると、貸借対照表や損益計算書とならんで、キャッシュフロー計算書(C/S)を目 にすることや作成することがあるかと思います。 C/Sとは、各事業年度におけるキャッシュ(資金)の増減を営業活動・投資活動・財務活動ごとに区分 して表示している財務諸表の一つですが、このC/S、実は企業にとって非常に大切なものなのです。 利益が出て儲かっているにも関わらず、資金が無いという企業、実はそれほど珍しくありません。 売上や仕入は全て現金で行われているわけではなく、掛けでも行われています。 売上の回収の前に、仕入の支払をしなくてはいけない場合、手元に資金(キャッシュ)が無いと売上( 収益)があるのに、支払ができない状態に陥ってしまいます。このようなキャッシュが不足している状 態が続くと、最悪の場合は倒産に至ります。 費用より収益の方が多く利益が出ているが、支払の為の現金が無く倒産してしまう(黒字倒産)という 事態も決して珍しいことではなく、実際に起こっていることです。 このような状況を避けるためにも、会社の資金をしっかりとコントロールし、将来に備えておくことは 会社の経営にとって不可欠となっています。損益計算書を見れば、会社がどれだけ利益を上げたかがわ かりますが、会社がどれだけ収入を得て、どれだけ支出をしたかはわかりません。 そこで、資金をコントロールしていく為にも必要となるのが会社の収入と支出を明らかにするキャッシ ュフロー計算書なのです。 キャッシュの管理は非常に重要です。 プロの経理担当者としては、そのしくみを理解し作成できるようになりましょう!(企業会計アドバイザー 米山 裕子)