IV.経理のプロを目指そう (10)
年末調整も終わり一息つきたいところですが、いよいよ確定申告の季節です。この確定申告という言葉、 よく耳にしますが、給与所得者の確定申告とは一体どのようなものなのでしょうか。 確定申告とは、個人が課税期間(1/1〜12/31)の所得の全てを計算し、所得税額を確定して申告する手続 きのことです。年末調整は毎月の給与から税金を源泉徴収され、その金額が少なければ徴収、多ければ 還付をしていくのに対し、確定申告は年末調整では精算できなかったものを精算していく作業になります。 会社員の方は、年末調整で精算されているため、確定申告にあまりなじみがないかもしれませんが、必 要に応じて確定申告をすることで還付を受けることができる場合もあります。その主なケースとして 「医療費控除などの年末調整では控除できない所得控除がある場合」「住宅をローンで購入した場合」 「年末調整を行ったが、処理に適用漏れがあった場合(生命保険料控除の申請をし忘れた等)」などが考 えられます。 これらの還付申告を提出できる期間は、本来適用されうるべき所得控除や税額控除の適用漏れの申告対象 年の翌年から5年間であればいつでも可能です。 今一度、適用漏れがないかどうか確認をしてみることをお勧めします。(企業会計アドバイザー 米山 裕子)