IV.経理のプロを目指そう (9)
月次資料の仕訳を入力していく中で、課税区分の判断に悩まされることは無いでしょうか? 消費税法には「国内において事業者が行った資産の譲渡等には、消費税を課する」と定められており、 この要件を満たすものは原則として5%の消費税が課税されることになっています。すなわち、満たさ ないものは不課税取引、ということです。これは、「国外で、消費者が、対価を得ずに行う取引」の他、 補助金、助成金、寄付金、損害賠償金、保険金、配当金等が対象となります。 こんなにはっきり定められているのであれば簡単そうだ、と思えますが、経理初心者としてはまだまだ 悩まされます。 例えば「会費・入会金」の取扱いです。これは、課税・不課税どちらにもなりうるものであり、その中 身で判断することになります。 ではどうやって判断するのか?ですが、同業者団体や組合などから受ける役務の提供などと、支払う会 費などとの間に明らかな対価関係があるかどうかによって判断します。 その為、その団体の業務運営に必要な通常会費などは一般的には対価関係がないとし、不課税となりま す。それに対し、セミナーや講座などの会費は、講義や講演の役務の提供などの対価にあたるので課税 となります。これは入会金に対しても言えることで、ゴルフクラブや体育施設、宿泊施設等を利用する ための会員になる入会金は、役務の提供などとの間に明らかに対価関係がある為、課税となります。 (この場合の入会金は脱退などに関し返還されないものに限ります) 判断基準を頭に入れてしまえば、仕訳のミスを防ぐことができます。 意識して作業を行っていきましょう。(企業会計アドバイザー 米山 裕子)