I.税金を納めすぎてしまったら(更正の請求)

所得税等の申告後に納める税金が多過ぎた場合や還付される税金が少な過ぎることに気がついた場合には 更正の請求を行うと、納めすぎた税金が戻ってきたり、還付される税額が増える場合があります。 更正の請求とは、「税金を多く納めすぎているので返してください」と税務署にお願いをする手続きです。 なお、納める税金が少な過ぎた場合や還付される税金が多過ぎた場合には「修正申告」を行います。 また、申告期限内であれば「訂正申告」を行います。 この手続は、「更正の請求書」を税務署長に提出することにより行います。 更正の請求書が提出されると、税務署ではその内容の検討をして、納め過ぎの税金があると認めた場合には、 請求をした人に税金を還付してくれます。 検討の結果、納めすぎではないとなった場合には、税金は還付されず、その旨が請求した人に通知されます。 更正の請求はいつでもできるわけではなく、法定申告期限から5年以内です。 ただし、平成23年12月1日以前に法定申告期限が到来する所得税については、更正の請求の請求期限は法定 申告期限から1年です。 (注)なお、平成23年12月1日以前に法定申告期限が到来する所得税で、更正の請求の期限を過ぎた課税期 間について、増額更正ができる期間内(3年間)に「更正の申出書」の提出があれば、調査によりその内容 を検討して、納めすぎの税金があると認められた場合には、減額の更正を行うこととなります。 たとえば、所得税で医療費控除をするのを忘れてしまった場合の手続きは次のようになります。 (1)確定申告義務がなく、確定申告をしていない場合 → 還付申告書を、確定申告期間とは関係なく、 その年の翌年1月1日から5年間提出することができます。 (2)確定申告義務がある人の平成23年分の医療費控除 → 平成24年3月15日から5年以内に「更正の請求」 (3)確定申告義務がある人の平成22年分の医療費控除 → 平成23年3月15日から1年以内に「更正の請求」 (ただし、「更正の申出書」を提出する場合には平成23年3月15日から3年以内)

(税理士・CFP 廣崎 英子) HP:横浜の税理士 廣崎英子税理士事務所 ブログ:税理士 ときどき ランナー

II.復興予算の使い道

25年前の10月19日といえば、ニューヨーク株式市場で株価が大暴落したブラックマンデーを思い 出します。この暴落は世界中に波及し、翌日の日本市場でも株価が大暴落したことがこの時期になると 鮮明に蘇ります。当時の日本はバブル景気の始まったころであり、その翌々年の年末には日経平均株価 が4万円に迫る勢いで史上最高値を記録しました。その後バブルは崩壊し、失われた10年とも20年 とも呼ばれる時代に突入しました◆さて、最近大きく報じられ批判されているのが東日本大震災の復興 予算の流用とも思える問題です。「税こそ政治」という言葉がありますが、まさにこのことのためにあ るような印象さえ持ちます◆まず、この予算の財源として「復興増税」が行なわれます。特に、個人所 得税については来年から25年間という長期にわたって行なわれることになっています。個人的にはも ともと、この「復興増税」については反対の立場でした。その理由は長くなりますので省略しますが、 建設国債に準じた国債発行で対応すべきという主張です◆次は、その予算の使い道についてです。報じ られている限りでは、かなり疑問なものが見受けられます。衆院決算行政監視委員会の新藤委員長も、 「個々の事業は法律や制度上問題はないが、増税をした復興予算をあてるべきかは国民感情からも疑問 がある」と指摘しています◆さらには、テレビの討論番組の中で、平野復興相も「一定のものについて は理解を得られる」としつつも、「個々の予算で見た場合、いかがなものかというものもないわけでは ない」と発言しています◆一方、被災地を代表して討論に参加した村井宮城県知事は「増税をして、国 民全体に負担をお願いしているので云々」と一定の理解は示すものの、「やはりこういった使い道によ り被災地に予算が回らなくなるのではないかを懸念する」旨の発言がありました◆今後の課題としては、 復興予算の使い道についての精査が当然必要でしょうし、いくら法律や制度上問題がないとはいえ、歯 止めをかける規定を設けておく必要があるでしょう。増税があったからこそ、この問題に批判が集まっ たというのはなんとも皮肉な話ではあります。

(財務アナリスト 浦邊 謙佑) HP:ぜいりし.com 浦邊剛至税理士・行政書士事務所 ブログ:会計事務所の一日

III.展示会での展示方法に注目

恒例の最先端IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2012」が幕張で開催され ました。 今回は展示の方法にも注目してみました。 製品化が進んでいて実際に手に取ったり体験できるものは人気で、フロントガラスの風景に情報を重ねて 投射するカーナビや、3D対応ヘッドマウントディスプレイ等には長蛇の列ができていました。 普段は目につかない部品や素材のメーカーは、画像や説明だけでなく、クイズやゲームでより深い理解を 促していました。 人が乗っていなくても駐車場の空きを探して駐車する車の展示では、離れた所からでもわかりやすいよう にステアリングにLED電球がつけられ、車内に設置されたカメラから誰もいない運転席の様子が大型の 液晶パネルに中継されていました。 掃除機ロボットの展示では、ガラスの天井の上で撒かれた紙片を吸い取るロボットの裏側を下から観察で きました。 携帯電話会社では、スマートフォン用のクラウドを使ったコンシェルジュ機能を、ロボットに搭載して参 考出展していました。他のメーカーが開発し研究機関向けにレンタルしているロボットを使っているとこ ろが面白いと思いました。 イメージやコンセプトではなく製品や研究開発の内容が理解しやすい、見ごたえのある展示が多かったと 思います。

(Webデザイナー 三嶋 由紀江)

IV.経理のプロを目指そう (7)

毎日経理処理を行っていても、初めて見るような取引が出てきて仕訳に迷うことがあるかと思います。 そんな時は、基本に立ち帰り、取引を「原因」と「結果」に分け、それぞれの取引が簿記の5要素のどれ に当てはまるかを考え仕訳を作成していきましょう。 しかし、いくら日々慎重に処理しているつもりでも絶対にミスが無いとは言い切れません。 それを未然に防ぐためにも、仕訳の誤りがないか等、定期的にチェックを行うことが大切です。 この仕訳をチェックするにあたり多く見られるミスの一つとして、消費税の取扱いミスがあげられるのでは ないかと思います。 消費税がかかる取引・かからない取引の判定は、ある程度は会計ソフトでも自動的に行ってくれますが、 消費税の課税取引と非課税取引が混在するような勘定科目の場合は判断を自分でしなければなりません。 では、どんな時に消費税がかかってくるのでしょうか? 消費税の課税対象となる取引は、「国内において行われる」「事業者が事業として行う」「対価を得て行う」 「資産の譲渡・貸付・役務の提供」ものになります。 迷った時はこの条件に当てはまるかどうかで判断して下さい。 とはいえ、基本的には課税対象となる「支払手数料」でも「クレジット手数料」に関しては非課税取引と なるなど、複雑です。 コツコツと知識を蓄えて、ミスの無い仕訳を行っていきましょう。

(企業会計アドバイザー 米山 裕子)

V.CDを選ぶ楽しみ

チョッと気が早いかもしれませんが、音楽にはクリスマスソングというカテゴリーが存在するようです。 ネット上ではすでに、今年のランキングも始まっているようです。 皆さんにとっての今年のナンバーワンはどの楽曲でしょうか。 その年の一人一人の心境によってナンバーワンが変わるというのも非常に興味深いところです。 そんな中でも、毎年根強い支持を集めるのがワムの「ラスト・クリスマス」と山下達郎さんの「クリスマス・ イブ」です。 どちらも1980年代の楽曲ですから、その息の長さには驚きます。 その山下達郎さんが9月下旬にベスト版のCDをリリースしました。 TVには決して出演することのない達郎さんですが、最近は新聞などのインタビューに答える姿もよく見かけます。 私から見れば、「楽曲創りの天才」とも思える達郎さんですが、パートナーである竹内まりやさんによれば 「彼の創る楽曲自体はたいしたことはない。でも、歌は天才的」ということだそうです。 最近リリースされたこのCDの面白いところは、各楽曲に達郎さんのコメントが付されていることです。 各作品にこめられた彼の思いを知ることができるのです。 ただ、彼は、音楽はCDという形ではなく、音楽配信へと完全に変遷するだろうと予言しています。 でも、どういう形であれ創り手の意図をパッケージで提供するということを大切に思う人も多いはずです。 また、CDのジャケットを手がかりにCDを選ぶ楽しみもあります。 CDが売れない時代ではありますが、なんとか共生して欲しいものです。

(覆面ライター 辛見 寿々丸)