IV.経理のプロを目指そう (6)

簿記の勉強をしたことのある方であれば、「仕訳」や「勘定科目」という言葉を耳にしたことがあるはずです。 経理実務では、取引を勘定科目へ置き換え、仕訳の構成を考え、最終的な仕訳が出来上がっています。 この勘定科目ですが、会社によって同じ取引でも置き換える勘定科目が異なることがあります。 例えば、ガソリン代の支払を「旅費交通費」で処理している会社もあれば「車両費」などで処理している会社 もあります。 基本的には継続して同じ勘定を使用していれば問題ありません。なぜならば、勘定科目は必ず「資産・負債・ 純資産・収益・費用」の5要素のいずれかに属しており、この場合はどちらの勘定科目に関しても「費用」に 属するものであるからです。 貸借対照表の会社の財政状況を表す、損益計算書の会社の経営成績を表すという 役割を果たすためには、勘定科目や仕訳を上手に活用する必要があります。例えば、不動産の販売・仲介の2つ の収入のある不動産会社の場合、収入を「売上高」勘定だけで表現するのではなく「不動産収入」と「不動産仲 介収入」に分け、それぞれの動きがわかるように工夫してみたり、逆に金額や仕訳が少ない場合には勘定科目を 減らし、見やすくスッキリさせることも大切です。 会社の取引を記録・集計している複式簿記の重要な要素である勘定科目や仕訳の基本をしっかりマスターし、 雄弁な財務諸表を作成できるよう頑張っていきましょう。

(企業会計アドバイザー 米山 裕子)