II.パート・アルバイトの税金
正社員だけでなく、パートやアルバイトさんを雇って事業をされている経営者の方は多いと思います。
パートやアルバイトさんに給与を支払う際に源泉徴収する税額は、一般の社員と同様に「給与所得の源泉徴収
税額表」の「月額表」
又は「日額表」を使って求めます。この際、会社に扶養控除申告を提出している方につい
ては「甲欄」そうでない方については「乙欄」を使って求めます。
ただし、給与を勤務した日又は時間によって計算していて、次のいずれかの要件に当てはまる場合には、
「日額表」の「丙欄」を使って所得税額を求めます。(夏休みの短期バイトなど)
(1) 雇用契約の期間があらかじめ定められている場合には、2か月以内であること。
(2) 日々雇い入れている場合には、継続して2か月を超えて支払をしないこと。
したがって、パートやアルバイトに対して日給や時間給で支払う給与は、あらかじめ雇用契約期間が2か月以内
と決められていれば、「日額表」の「丙欄」を使うことになります。
その方が差し引く源泉徴収税額が低くなります。
なお、最初の契約期間が2か月以内の場合でも、雇用契約の期間の延長や、再雇用のため2か月を超えることが
あります。
この場合には、契約期間が2か月を超えた日から、「日額表」の「丙欄」を使うことができません。
給与を支払う期間に応じ定められている税額表(「月額表」又は「日額表」)の「甲欄」又は「乙欄」を使っ
て源泉徴収する税額を求めることになります。
学生アルバイトさんなどに対して税金を引かないで給料を支払っているケースも時々みかけますが、税額が発生
する場合の納税義務は事業者にあります。
税務調査など源泉所得税の徴収もれが見つかりますと、加算税を含めて多額の追徴課税される場合もありますの
で注意してください。
なお、アルバイトさんの年間収入が103万円以上になると、所得税の課税対象となります。(課税対象となる所
得には、交通費は含みません。)
つまり、給与をもらう時に源泉徴収されていたとしても年間の収入の合計が103万円に満たない場合には所得税
がかかりません。(学生さんの場合には勤労学生控除があるため130万円)
このようなアルバイトさんは確定申告をして税金の還付を受けることをお勧めします。