IV.経理のプロを目指そう (4)

経理のプロを目指そうと考えている皆さんの中には、簿記の勉強をしたことがあるという方も多いのではないで しょうか。 簿記の勉強をしていると試算表が出てくると思いますが、これは実務では毎月の会計処理の集大成として出力さ れ、月次決算と言われています。 とはいえ、試算表の出力=月次決算というわけではありません。 月次決算とは月次で決算をすることです。 売上や費用をすべて計上し、棚卸を反映させ、減価償却や各種引当金を計算し、資産や負債の残高を確定させ、 正しい利益を算出していきます。月次決算とは単にお金の出入り、売上・仕入の仕訳だけを処理するものではあ りません。 その目的は、月次で経営者に経営成績と財政状況をすばやく、わかりやすくフィードバックすることにあります。 その為には試算表の他、さらにキャッシュ・フロー計算書もあれば現預金の増減とその原因を詳しく説明するこ とができ、一歩進んだ経理のプロとしての仕事ができるのではないでしょうか。

(企業会計アドバイザー 米山 裕子)