II.廃業しないための開業のポイント

「石の上にも3年」ということわざがあります。 いろいろな経営者の方をみていると、まさにこのことわざの通りだなと感じる時があります。 この仕事をしていて、創業時から苦楽を共にさせていただいていた顧客の方が何年かたって経営を軌道に乗せた 時のうれしさは格別です。 ある調査によれば開業5年後の企業の廃業は15%程度だそうです。業種によって差があり飲食店業では実に 24%と2割以上の企業が廃業しています。 今回は、開業してもすぐに廃業ということにならないための開業のポイントについて考えたいと思います。 <1.充分な開業資金を確保しよう> 開業資金は自己資金+借入金です。 個人で独立開業する場合に、すべて自己資金で賄える場合は稀で、多くの方が融資を受けています。 経営者の方の中には初期の設備投資と2〜3ヶ月程度の運転資金のことしか考慮にいれていない方がいます。 しかし、飲食店、小売、サービスなどなんでも充実している都市部においては開業3ヶ月で黒字経営になること は稀です。最低でも半年は赤字でも運転できる資金を確保することが必要です。 <2.自分にしかできないサービスを作ろう> ここでしか食べられないメニュー、ここでしか受けられないサービス、ここでしか買えないモノ。そういうもの があればお客様はついてきてくれます。 逆にどこにでもあるサービスであれば、お客様はあえてリピートしてくれなくなるでしょう。 <3.効果的な広告宣伝をしよう> 広告宣伝なども、開業当初から効果的に行う必要があります。資金や経営に行き詰ってから細々とした宣伝をし ても期待するほどの効果は得られません。業種によって、効果のある媒体は異なります。 開業する前に、どのような媒体を使いどのタイミングで宣伝をするかよくリサーチをして効率的な宣伝を行いま しょう。 <4.専門家をうまく活用しよう> 開業当初は資金もあまりないので、経理、労務、法務すべてを自分でやろうとする経営者の方がいます。 もちろん、充分な知識と時間があればそれでもいいと思いますが、そうでないなら専門家をうまく利用するべき です。 青色申告の届出書が出ていなかった。必要な許認可がとれていなかった、助成金がもらえなかった、融資が受け られなかった等、専門家が入っていればなんとかなっていたのでは?という事例をよく耳にします。 親身に相談にのってくれる専門家を是非活用して永く続く経営をしてください。

(税理士・CFP 廣崎 英子) HP:横浜の税理士 廣崎英子税理士事務所 ブログ:税理士 ときどき ランナー