I.平成24年度税制改正
平成24年度税制改正大綱が昨年12月に閣議決定されました。
税制改正大綱とは、政府税制調査会が作成した翌年度の税制改正法案の原案のことです。
今後、法律案が内閣法制局で審議され、国会に提出されることになります。
昨年は震災の影響もあり法案の審議が二転三転しなんとも中途半端な法案改正になってしまいました。
その結果、平成24年税制改正では、平成23年度税制改正で成立しなかった給与所得控除の上限設定や
地球温暖化対策税などが盛り込まれました。
平成24年度税制改正の主な内容は以下の通りです。
<個人所得税関連>
1.給与所得控除の上限設定
給与等の収入金額が1500万円を超える場合の給与所得控除額について245万円の上限を設定
2.特定支出控除の見直し
資格取得費などを特定支出の範囲に追加
3.勤続年数5年以内の法人役員の退職所得
控除の見直し
<資産税関連>
1.住宅取得資金に係る贈与税の非課税措置の拡充・延長
2.固定資産税の特例措置の廃止
<法人税関連>
1.環境関連投資促進税制、中小企業投資促進税制の拡充
2.復興支援関連税制の拡充
<消費税関連>
1.2010年代半ばまでに消費税率を10%に引き上げ
<環境関連>
1.エコカー減税の延長
2.地球温暖化対策税の創設
今後国会の審議を経て、可決されれば法案成立となりますが、どうなることか。
注意深く見ていく必要がありそうです。
II.「政局より大局」
「政局より大局」と消費税増税を呼びかけるのは、おやじギャグの大家?としても有名な野田首相。しかし、野党
の反発が強いうえに世論の支持もなかなか得られないようです▲そんな中、首相は世論に配慮して増税の前に国会
議員定数削減や公務員人件費の削減を進める決意を示し3月末の法案提出を目指しています。増税の前にまず身を
削るのは当然としても、どうして世論の支持が得られないのか。一番の理由は消費税増税についての説明不十分だ
からではないでしょうか▲政局より大局というのであれば世論に一定の配慮は必要かもしれませんが、国民を説得
する気迫が必要です。この課題について何度となく議論を繰り返してきました。いったいいつまで結論を先送りす
るのか。将来の消費税増税が避けられないことは多くの国民が感じていることだと思います▲話が前後しますが、
まずわからないのは、将来も税率が10%のままなのかという点です。今後5年をめどに次の改革を実施するとい
う見直し規定についての詳しい説明がありません。ある国際機関は現状でも最低15%、将来的には状況によって
20%程度は必要と指摘しています▲次に、社会保障と税の一体改革により国庫に入る税収の全額を年金、医療、
介護、少子化対策にあてるとなっています。しかし、国家の財政再建という視点からは必ずしもその位置づけがは
っきりしません。財政健全化という目標達成には他の課題も山積です▲さらに、低所得者に対する配慮です。消費
税は常にその逆進性が問題となりますが、その対策として給付つき税額控除の導入を検討することになっています。
ただし、この制度の導入には社会保障と税の共通番号制度の定着がその前提となるはずです▲社会保障の面から考
えると、現行の制度のままで持続可能なのでしょうか。例えば現在の年金制度のように現役世代が年金受給世代を
支えるという仕組みを見直すべきです。これ以上現役世代の負担を重くすることは無理です。というより止めるべ
きです。しかしながら、現行の制度のマイナーチェンジで進んで行きそうです▲まだまだたくさんあります。ただ、
政治にその責任をすべて転嫁するのも無責任です。昨年の東日本大震災により自助・共助の大切さや力強さを経験
しました。私自身も社会貢献という意味を改めて痛感しました。国のやるべきこと、地方あるいは地域のやるべき
こと、そして私たちがやるべきこと、その一つ一つを大きく見直す時期が来ています。
III.パソコンで作る プライスカード
インクジェットプリンタには名刺サイズの用紙を扱えるものがあります。
そこで、はがき印刷のようにExcelで作った価格表を元にWordで作ったテンプレートに流し込むことで名刺サイズ
のプライスカードを作成してみましょう。
まず、Excelシートを作成し、「おすすめ」「商品名」「価格」等の項目を設定し、データを入力します。
そしてWordでオートシェイプ等を使用してプライスカードのデザインをします。
Wordの差し込み印刷で文書の種類をレターに設定し、ひな形として作成したExcelシートを選択します。
表示したい項目を一つずつ選択して「差込フィールドの挿入」で表の中の対応する項目を設定していきます。
プレビューを行いレイアウトを調整します。全件のプレビューをチェックし、必要に応じて調整を行います。
あとは印刷すれば出来上がりです。
一度に大量に価格変更がある場合には便利な方法です。お試しください。
(Webデザイナー)
IV.無対価合併の適格判定における注意点 その一
今回は、組織再編成税制のうち無対価合併について考えてみます。
無対価合併は、合併対価としての株式等の交付を省略した合併です。
無対価合併においても税制適格の要件を満たしていれば適格組織再編成として認められます。
合併の税制適格の要件として、被合併法人 の株主等に合併法人の株式等又は合併親法人株式のいずれか一方の株式
等のみが交付されることが規定されていますが、株式等の交付を省略した無対価合併もその類型として取扱われま
す。
無対価合併が税制適格として認められるのは、株式の交付を省略したものと認められるものに限定されるという考
え方に基づくことによるものです。株式の交付を省略したものと認められるものとは、対価としての株式を交付した
場合、交付しない場合のいずれであってもその資本関係に変動がないものをいいます。
無対価合併における税制適格の要件は、合併前に被合併法人と合併法人との間に同一の者による完全支配関係があり、
かつ、合併後にその同一の者と合併法人との間にその同一の者による完全支配関係が継続すると見込まれることです。
ただし、四つの場合に限定されています。
例えば、兄が完全支配するA社を合併法人とし、弟が完全支配するB社を被合併法人として、無対価合併が行われた
場合には、単独である「一の者」が被合併法人及び合併法人の発行済株式等の全部を保有する関係にはないため非適
格となります。次回、その詳細について触れます。
(企業会計コンサルタント 比留川 益朗)
V.天文ゴールデンイヤー
今年は日本で金環日食が観測できます。
金環日食とは太陽と月、地球が一直線に並び、月の外側に太陽がはみ出して細い光輪状に見える現象を言います。
日本で金環日食が観測できる場所は東京、京都、静岡、大阪、高知、鹿児島で、その他の地域でも直径の9割ほどが
欠ける部分日食を観測する事ができるそうです。
日食が観測できるのは5/21で日本の人口の3分の2が観測できるほど、今年は確率が高いラッキー年なのです。
また今年は6/6に金星の太陽面通過が観測でき、8/14には金星が細い月に隠される金星食が観測できます。
近年、プラネタリウムが続々とオープンしています。記憶に新しい所では、羽田空港の新国際線ターミナルビルにで
きた「プラネタリウム・スターリー・カフェ」、渋谷にできた「コスモプラネタリム渋谷」、六本木ヒルズ内にでき
た「スカイプラネタリウム」と今、日本では天文ブームが起こっているのです。
今年は数十年に一度又は数百年に一度しか見れない貴重な年になるので、ぜひ天体観測をしてみて下さい。
観測には日食グラスをお忘れなく!
(ファイナンシャルプランナー 小林 裕美)