II.政権交代は誰のため?

プロ野球界に横浜DeNAが誕生しました。本拠地は横浜から移転しないことも決定しました。これにホッとしたの は横浜ベイスターズファンだけではなく多くの横浜市民も同じ気持ちかもしれません▲しかし、残念に思ったのは参 入決定後の春田会長の発言です。来季の目標について問われた同氏は「最下位脱出」と回答し、さらに「3年以内に ・・・、5年以内に・・・」と続けてしまいました。経営という視点から考えれば当然としても、プロスポーツの世 界です。「優勝争い」という言葉が欲しかったというのが素直な感想です▲現にサッカー界では、J2からJ1に昇 格したばかりの柏が優勝しました。何が起こるかわからないのがプロスポーツです。優勝を目指さずプレーすること は、各選手のモチベーションに大きな影響を与えるというより考えられないことではないでしょうか▲ところで、直 近の世論調査では内閣支持率の低下と消費税増税反対の世論が強くなっているようです。内閣支持率の低下はともか くとして、消費税増税に反対の世論が高くなっているのは少し気がかりです。私の記憶が正しければ、最近までは消 費税増税容認の世論が反対を上回っていたような気がするからです▲年度末へかけて議論が激しくなって行くことは 間違いないのですが、問題はその中身です。「社会保障と税の一体改革」に不退転の決意を持って取り組むという野 田首相ですが、その実態は消費税増税だというのが大方の見方です▲財政が厳しいからただ単純に増税をお願いしま すということであれば、子どもでも考えつくことです。政権交代の立役者?となった民主党マニフェストにはどのよ うなことが書かれていたのでしょうか。平成25年度までに国の総予算を組み替えて16.8兆円の財源を生み出すこと を実現することを約束しています▲マニフェストに誤りがあったのであれば国民に丁寧な説明が必要なはずです。こ の政権交代に際し、増税をお願いをした人がいたのでしょうか。誰もお願いしていないことを勝手にどんどん進めて しまう現政権。不退転の決意とは一体誰に対しての決意なのか?まったくわかりません。

(財務アナリスト 浦邊 謙佑) HP:ぜいりし.com 浦邊剛至税理士・行政書士事務所 ブログ:会計事務所の一日