III.スーパーコンピュータの中の世界

幕張で10月に開催された最先端IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2011」を見学して きました。 今回注目していたのは、世界一速いと認定されたスーパーコンピュータの「京(けい)」です。富士通のブースには、冷 却性と高密度を両立させるためにラックの中に微妙に斜めに配置されたシステムボードや、SPARC64CPUのウ ェハ、全体で8万個以上搭載されているCPUを接続するネットワークに使われる6次元メッシュ/トーラス構造の概 念模型などが展示されていました。 世界のコンピュータのランク付けを行ったTOP500リストで首位を獲得した時の認定証も、飾られていました。 実際スーパーコンピュータが何に使われるのかというと、例えば新製品を作る時に試作品を作って実験しなくてもコン ピュータの中で仮想の試作品をさまざまな条件で観察するシミュレーションなどが行えるそうです。 このような製品開発などの産業だけでなく、病気治療の研究や集中豪雨の予測など防災・医療の分野に応用することに よってより安心安全な生活を実現したいという目的についても、詳しく説明されていました。 基礎科学の分野では、銀河の成り立ちや宇宙の始まりまでもシミュレーションしようとしているそうです。 1秒間に1京(10の16乗)回の計算ができるスーパーコンピュータですが、これからまだまだ速い機種が開発されていく のでしょうね。

(Webデザイナー 三嶋 由紀江)