IV.交際費等の範囲から除かれる飲食等の費用

法人税法上、得意先・仕入先その他事業に関係のある者等への支出は、支出交際費として「交際費等の損金不算入」の 規定の対象となります。 ただし、飲食その他これに類する行為(飲食等)のために要する費用であって、その支出する金額を飲食等に参加した 者の数で割って計算した金額が5,000円以下である費用については、法人税法上の交際費等から除かれます。 なお、この規定は次の事項を記載した書類を保存している場合に限り適用されます。  @飲食等の年月日  A飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名又は名称及びその関係  B飲食等に参加した者の数  Cその費用の金額並びに飲食店等の名称及び所在地  Dその他参考となるべき事項。 ただし、その法人の役員・従業員、これらの親族に対する接待等のための社内飲食費の支出は交際費等に含まれます。 また、5,000円以下かどうかの金額判定は、税抜経理と税込経理で異なります。例えば、一人当たり税込5,200円(税抜 4,952円)の飲食等の費用を支出した場合、税抜経理の場合には、税抜の4,952円で判定するので交際費等の範囲から除 かれますが、税込経理の場合には、税込の5,200円で判定するので交際費等に含まれます。 自分の会社がどちらの経理処理を適用しているかを確認しておいたほうがよいでしょう。 この一人当たり5,000円以下であるかどうかの判定は、例えば、全く別の業態の飲食店等を利用して1次会と2次会な どの連続した飲食等を行った場合においても、それぞれの飲食等が単独で行われていると認められるときには、それぞ れの飲食等ごとに一人当たり5,000円以下であるかどうかの判定を行うことができます。

(企業会計コンサルタント 比留川 益朗)