I.国外取引で節税したけれど
筑紫哲也氏の遺族が相続税の申告で国外の資産を除外、バイオリニストの諏訪内晶子氏が国外の所得隠しなど国外での
所得や資産に関する脱税や申告もれのニュースを最近よく耳にします。
以前から国外取引を利用した節税方法を紹介する本やコンサルティングなどは多数あり、実際にそれを利用している人
も少なくはないと思います。
税務署にとって外国での所得や資産は把握しにくいといわれ外国での所得を全く申告しない人もいるそうです。
しかし、国税庁もそれを指をくわえて見過ごすほどゆるい機関ではありません。他国と情報交換協定を締結するなど
対策を着々と進めています。
税率が低くタックスヘイブンとされるケイマン諸島国・地域との交渉も進め、英領バミューダとも租税協定が結ばれて
います。おとなり韓国とも脱税防止の協力に乗り出しました。
これまでは相手国からの要請がある場合に限り資料を提供しましたが、今後は国外脱税容疑が出てくればすぐに資料を
交換することになりました。
国外での所得を意図的に隠したとなると、本来の税金の他に追徴課税(無申告加算税、過小申告加算税、重加算税、
延滞税等)が課されることになります。
場合によっては逮捕ということもあります。
また、合法的な節税対策と考えて行った国外取引についても裁判までいって負けてしまう例も多々あります。
国外取引を利用した節税は、法律や条約をよく調べ、リスクを理解した上で行わないと思わぬ損害をうけることになる
かもしれません。