I.東日本大震災で被害を受けた方へ
東日本大震災から1ヶ月以上がたちました。1日も早い復興が望まれるところですが、度重なる余震、物資不足、
原発の影響等で普通の暮らしに戻るのにはまだまだ時間がかかりそうです。
税法では、災害を受けた方への多くの支援策があります。
是非利用できるものは利用して復興の手助けにして欲しいと思います。
今回は各種支援策のうち、税目にかかわらず全般的なものについてついてまとめたいと思います。
1.申告、納付等の期限の延長
前回も書きましたが、被災地に納税地を有する納税者につきましては、平成23年3月11日以後に到来する申告等の
期限が、全ての税目について、自動的に延長されることとなります。
2.納税の猶予
震災により家屋等の財産に相当な損失を受けた場合は、その災害の止んだ日から2か月以内に税務署長に申請し、
その承認を受けることにより損失を受けた日以後1年以内に納付すべき一定の国税について、1年以内の期間、納税
の猶予を受けることができます。
場合により延長も可能です。
3.延滞税の免除
納税者の方が納税の猶予や換価の猶予の適用を受けるなど一定の場合には、延滞税が免除されます。
4.管轄外の税務署での対応
自宅や事務所から避難されている方からの「国税に関する相談等」、「還付金の支払い」及び「納税証明書」に
関するお問い合わせについては、最寄りの税務署においても対応しています。
弊社では被災された方の税務相談、各種申請を無料で行っております。
電話045-260-4181
またはFAX045-262-0568まで
またはaxis02@axis-k.co.jpまでご連絡ください。
II.日本の底力
▲季節は確実に春、そして初夏へと向かっています。なのにその実感を感じることのできない日々が続いています。
申し上げるまでもなく、大震災の影響があまりにも大きすぎたということがそのわけであることは間違いありません。
▲そんな中、被災地でも復旧、復興への取り組みが始まっています。当面の最も大きな課題はこの大震災、大津波
そして原子力発電所の事故と追い討ちをかけられた被災地や被災者に対する対応をどうするのかということに尽きる
と思います。しかしながら、震災前に抱えていたわが国の諸問題から目を背けるわけにも行きません。▲事前の予想
通り4月7日、欧州中央銀行=ECBは政策金利の引き上げを決定しました。その理由は、資源価格を中心とする物
価上昇の行き過ぎを防ぐ狙いと報じられています。また、米国においてもQE2と呼ばれる金融緩和策第2弾の期限
が6月末と迫っています。予定通り終了するのか、それとも延長されるのか。市場は注意深くその行方を見守ってい
ます。▲その一方、着目すべき点はECBのみならず世界の各機関が、わが国の震災により世界経済の先行きが不確
実性が高まっていると指摘していることです。震災直後の株式市場は大きく下げたにもかかわらず、その後海外投資
家の資金は日本へ向かいました。単に割安感が理由ではなく、この震災により日本製の部品・材料が届かないという
事態に世界の製造業が震撼したことがその第一の理由であると考えられます。▲被災し、操業停止した福島県いわき
市の日産自動車のエンジン工場を訪れた同社社長のゴーン氏の姿はその象徴でしょう。さらに彼は、こう明言してい
ます。「外国人の私だから言える。日産の競争力の源は日本だ」。彼の言う競争力とは、国際競争力のことに他なり
ません。▲日本の国際競争力の低下が様々な場面で強調されてきました。しかし、私は決してそんなことはないと思
っています。多くのデータからもそれは説明することはできます。残念なことではありますが、今回の震災で逆に日
本の存在感が示されたわけです。▲首相や東京電力のトップのリーダーシップを問題視する意見もたくさんあります。
けれども、そんなことはどうでも良い。批判をしていても私たちの未来はありません。このような状況下でも、名も
なき普通の人たち一人ひとりが現場で汗をかきこの国を支えています。それが日本という国であり、日本社会でもあ
ります。決して、忘れてはならないことだと思います。
III.災害情報をフォローする
横浜市は3月17日から、東北地方太平洋沖地震に関する情報発信ツールとしてtwitterの利用を開始しました。
このような自治体や国からの災害情報をフォローしておくと、テレビやラジオが近くにないときに便利です。
以下にアカウントの例と主なツイート内容の例をご紹介します。
・横浜市広報課(@yokohama_koho):横浜市の被災者受け入れ施設の情報・募金の案内・計画停電の情報・市営交通
の運行状況
・神奈川県庁広報課(@KanagawaPref_PR):県内の放射線量測定値、水道や食品・海水などの放射能濃度測定結果、
被災者受入住宅の情報、被災地への職員派遣状況、特別労働相談等関連サービスの案内
・首相官邸災害情報(@Kantei_Saigai):災害関連の政府活動情報・政府による記者会見の通知や内容の要約・国税
庁HPの更新情報
・総務省消防庁(@FDMA_JAPAN):地震の情報や津波警報、原子力発電所の情報・火災情報
・文部科学省MEXT(@mextjapan):福島第一原子力発電所周辺の放射線モニタリング結果
その他自治体や、東京電力やマスコミ各社からの情報もあります。ただしネット上には、なりすましや流言飛語も
あるようですので、情報元の信頼性には充分ご注意ください。
(Webデザイナー)
IV.法人税法上の寄附金
この度の東日本大震災により、色々な団体・企業などが義援金等の寄附を募っています。
今回は法人税法上の寄附金について整理してみます。
法人税法上の寄附金とは、寄附金・拠出金・見舞金その他いずれの名義かを問わず、法人が金銭その他の資産・
経済的利益の「贈与又は無償の供与」を行うこと等をいいます。よって我々が一般に使っている寄附金の言葉の
意味合いよりも広い範囲のものを対象としています。
金銭で寄附等をした場合には、その金銭の額が寄附金の額となりますが、物品やサービスなどの「贈与又は無償
の供与」を行った場合にも、その贈与等を行った時の価額=時価が寄附金の額となります。また、物品やサービス
などを時価よりも低い金額で譲渡や供与を行った場合には、その譲渡等を行った時の価額=時価との差額が寄附金
の額となります。
寄附金は、「国等に対する寄附金」・「指定寄附金」・「特定公益増進法人等に対する寄附金」・「その他の寄
附金」に分類され、その分類ごとに法人税法上の取扱いが異なります。
「国等に対する寄附金」・「指定寄附金」は法人税法上全額損金算入されますが、「特定公益増進法人等に対す
る寄附金」と「その他の寄附金」は、法人税法上一定の計算により損金算入限度額の範囲内で損金算入されます。
また、平成22年度の税制改正よりグループ法人税制が整備されました。これに伴い、完全支配されているグルー
プ内の内国法人間で行う寄附についてはなかったものとみなされます(平成22年10月1日以後の取引から)。
寄附金を支出した法人側はその寄附金の額は全額損金不算入となり、寄附金を受取った法人側ではその受贈益の
額は全額益金不算入となります。
法人が災害義援金等を寄附した場合には、その義援金等が最終的に国等に拠出されることが確認されたものは、
「国等に対する寄附金」に該当し、全額損金算入されることになります。義援金等を寄附する側と募集する側の
両方の取扱いについて、国税庁のホームページや所轄の税務署で確認することができます。
(企業会計コンサルタント 比留川 益朗)
V.自然との共存
長かった冬が終わり、暖かい春がやってきました。桜の開花が毎年新しい風と共に訪れます。
新しい出会い、新たな出発が始まりますね!
震災から1ヶ月以上がたちました。今なお被災に遭われた方々はつらい生活を余儀なくされています。日本中だ
けでなく世界各国でも日本に対するチャリティー活動が行われ、みんなで日本を応援しようという動きが起きて
おり、希望の輪が広がっています。
日本国内観測史上最大のM9.0を記録した今回の地震は、私たちに予想不可能な自然災害の恐ろしさをしらしめま
した。地震により交通網がマヒし、食料不足が起こり、停電等により普段の生活が一変しました。自然災害の前
には人間は無力であるという事を再認識させられました。私たち人間は自然に頼りながら生きています。今回の
震災で多くのことを感じ、学び、考えさせられました。「自然と共存する」という事をしっかりと今後に生かし
て、前進していかなければいけないと思います。
みんなの笑顔とすばらしい自然が一日でも早く元に戻る日をみんなで祈り、一人一人が今できる事を実行してい
きましょう!
(ファイナンシャルプランナー 小林 裕美)