I.税理士を頼むメリット

確定申告の季節となり、会計ソフトと悪戦苦闘している個人事業者の方も多いかと思います。 最近の会計ソフトは使い勝手がとても良くなり、現金の出し入れや預貯金の出し入れを入力すれば、それなりに 貸借対照表や損益計算書が 作れます。 さらに、市販の確定申告ソフトを使って申告までご自身で行う個人事業者の方も結構いらっしゃると思います。 経営者の方が経営状況を自ら把握し、税額の計算をする事は決して悪い事ではないと思います。 しかし、現実問題として、会計や税務の専門家でない方が作成した決算書や確定申告書には 問題点が多いのも事実 です。(もちろん、中には完璧な申告書を作成している方もいらっしゃいますが) まず、最も多いのが収益の計上方法に問題がある場合です。会計では収益は実現主義(商品やサービスを引き渡した 時点で売上を計上する)で計上するのが基本ですが、現金主義(現金を受け取った時点で売上を計上)で収益を認識 している場合がよくあります。 また、費用については収益に対応させ、その間に正しく計上する事が必要になりますが、支出した時点で計上して いる例が多々あります。 これらの間違いは税務署や金融機関の人が見れば一目瞭然ですので、税務調査や融資の審査の際に問題になります。 さらに多いのが届出の間違い、出し忘れです。赤字があるのに青色申告の届出がでていないために、損失を繰り越す 事ができなかったり、簡易課税の方が有利なのに届出が遅れてしまって適用を受けられなかったりといった例が後を たちません。 税理士は記帳や税務申告だけでなく、節税や融資など、経営に関わる様々な面でお客様のご相談 を受けています。 なんでも相談できる身近なパートナーとして税理士を是非活用してみてください。

(税理士・CFP 廣崎 英子) HP:横浜の税理士 廣崎英子税理士事務所

II.迷走ニッポン

▲1月24日に通常国会が召集されました。菅首相の施政方針演説については後段で触れたいと思いますが、厳しい 国会運営になることは間違いないでしょう。そんな中、与野党間でのキチンとした論議が行われるのかどうかにわが 国の政治力が試される場面でもあります。▲海外に目を転じてみると、チュニジア・エジプトの政権が崩壊してしま いました。さらに、周辺諸国にも影響は広がり今後の動向を注視しなければなりません。両国のみならず長期独裁政 権が続いている国がいくつもあることを、いまさらながら思い知らされました。チュニジアは、国家としてITの促 進を図った結果が政権の崩壊につながってしまったという点ではなんとも皮肉です。▲わが国の国家戦略は果たして どうなのか。お話を施政方針演説の内容に戻します。菅首相は、国づくりの理念として三つの理念を掲げました。「 平成の開国」「最小不幸社会の実現」「不条理をただす政治」の三点です。▲まず、平成の開国についてです。首相 が最も意識するのはTPPの問題についてだと思います 。TPPは米国の世界戦略の一環です。もちろん、その意 図は中国を意識したものです。既に周回遅れとも揶揄されるのがわが国の現状です。情報収集もままならない状態で は、国内議論をまとめることは不可能です。日本がリーダーシップをとることのできないままの参加になるのか、そ れとも起死回生の一手があるのか。▲次は、最小不幸社会の実現についてです。以前も触れましたが私にはこの言葉 がピンときません 。最大幸福社会ならそうでもないかもしれませんが。つまり、一人ひとりが幸福を目指して一生懸 命努力する。けれども残念ながらそうでなかった場合のセーフティーネットを十分用意し、何度でもチャレンジでき る。こういった社会基盤の整備こそ必要ではないかと思うからです。いきなり最小不幸社会の実現と言われても私たち はどうすればよいのかわからないのです。▲しかしながら、この理念の意味する本質は「税と社会保障の一体改革」 を行うということに他ならないと思います 。もちろん重要なテーマであることは間違いありません。ただ、私は若干 の違和感を感じます。税ではなく財政あるいは財政健全化と社会保障という方がしっくりきます。あくまでも個人的 な感想です。▲社会保障の中から公的年金を取り出してみても、その財源のすべてが税ではありません。現行の制度 ではむしろ保険料が大きな財源のはずです。政府・民主党が提唱する最低保証年金についてもその制度設計がよくわ からないばかりかどのくらいの財源が必要なのかさっぱりわかりません。いきなり税と社会保障の問題を議論するの ではなく、国家財政と社会保障の将来の全体像を示す方を優先すべきだと思うのですが。

(財務アナリスト 浦邊 謙佑) HP:ぜいりし.com 浦邊剛至税理士・行政書士事務所 ブログ:会計事務所の一日

III.会社設立をトータルサポート!

横浜市で毎年開催されているビジネスプランコンテスト「横浜ビジネスグランプリ」の決勝戦が1月にランドマーク ホールで行われました。 434件ものプランの中から最終選考に残った 11名がプレゼンテーションを行い、審査員の質問に答えました。 ベンチャー部門(一般)のグランプリ・最優秀賞に選ばれたのは「プロバイオティクス飼料肥育による安心・安全な 食肉づくり およびその普及事業」でした。 またソーシャル部門(社会起業家)では「ホームレスの職と農をつなぐ「レンタル家庭菜園」」、U22部門(22歳以下) では「JAPAN MANGA」が最優秀賞を獲得しました。 農業・高齢者医療・地域コミュニケーション ・IT関連など、様々な分野で斬新なプランが発表され、どのプランも 完成度が高く、選考は非常に難しかったようです。 このコンテストでは、まずエントリーシートによる選考、次に詳細な事業計画書による選考が行われます。 そして準決勝・決勝でプレゼンテーションによる選考が行われます。素晴らしいアイデアや誰にも真似できない技術 があったとしても 、ビジネスとして現実化するためにはしっかりとした計画と熱意を伝える能力が必要なのですね。 AXIS-Kでは、会社設立の各種手続、事業計画、資金計画のサポートなど、ビジネスを現実化し、継続していくための お手伝いをしています。詳しくはホームページをご覧ください。   URL… http://www.axis-k.co.jp/

(Webデザイナー)

IV.法人税法・所得税法の償却方法の選定とその変更方法

有形減価償却資産(建物・構築物・機械装置・車両運搬具・工具・器具備品など)の償却方法の選定について整理 します。(鉱業用減価償却資産など特殊なものは省きます。) 法人が会社を設立した場合には、設立した日の属する事業年度の確定申告書の提出期限までに、納税地の所轄税務 署長に償却方法の選定の届出を行わなければなりません。 個人が業務を開始した場合には、業務を開始した日の属する年分の確定申告期限までに、納税地の所轄税務署長に 償却方法の選定の届出を行わなければなりません。 ただし、償却方法の選定の届出をしていない場合には、法人税法・所得税法のそれぞれに定められている法定償却 方法により減価償却を行います。 この法定償却方法は、法人と個人とで償却方法が異なります。 法人の法定償却方法は、建物は平成10年4月1日以後取得のものは定額法(平成10年3月31日以前取得のものは定率法)、 建物以外の有形減価償却資産は定率法です。 個人の法定償却方法は、建物を含め有形減価償却資産は定額法です。 いったん償却方法を選定すると、その償却方法を変更しようとするときは、新たな償却方法を採用しようとする 事業年度開始の日の前日まで(個人の場合には変更しようとする年の3月15日まで)に償却方法を変更しようとする 理由などを記載した「減価償却資産の償却方法の変更承認申請書」を提出し、承認を受けなければなりません。 なお、償却方法を選定してから相当期間を経過していない場合には、特別な理由がない限り 、承認されないこと がありますので償却方法の選定は慎重に行う必要があります。

(企業会計コンサルタント 比留川 益朗)

V.ギャップイヤーとは?

大卒者が就職活動をする際に、まず一つのハードルとして新卒者である事が条件とされるケースがあります。 しかし、新卒者と名乗れるのは一度きりしかありません。就職する年々によって景気の動向が大きく採用に影響を 与えているのが現状です。その中で英国で定着した「ギャップイヤー」が日本でも注目されています。 「ギャップイヤー」とは高校卒業から大学入学、又は大学卒業から大学院への進学までの期間の事を言います。 例えば、大学への進学が決まった 人が数カ月から十数カ月の間、学業を離れ国内外でボランティア活動やワーキング ホリデーなどの経験をする事に対して、大学側でも入学延期を認めたり、その間の学費を免除したりする制度がある のです。 日本では大学三年から就職活動が始まります。大学生活の中で学業やその他の活動をする期間があまりないのです。 就職するために大学へ進学するという考え方が、未だに多いのではないでしょうか。 最近、大学を卒業して数年間経過している人でも、新卒者と同じ扱いで採用する企業が日本にもあるのですが、 その数はまだまだ少ないようです。 自分がどういう仕事をしたいのか、どういう生き方をしたいのか、じっくり考え様々な経験をした上で、就職活動を 始められる事が認められる社会になってもらいたいですね。 (朝日新聞2/3記事より)

(ファイナンシャルプランナー 小林 裕美)