I.税務調査はこわくない その3
実際に税務調査が行われる場合の準備はどうしたらいいでしょうか。
【事前準備】
事前に必要な書類を揃えておくと、それだけ調査もスムースに進むだけでなく、経理をきちんと行っている会社
という印象を与えることができます。
@売上げ関係の書類
請求書の控えや売上台帳を用意します。請求額と入金額が異なる場合や、請求書のない入金がある場合には説明
が求められる事がありますので、事前に原因を把握し説明できるようにしておくことが必要です。また、売上の
計上基準をはっきりさせておきましょう。
A仕入・経費関係
仕入の請求書、納品書、領収書、買掛帳などを用意します。また、SUICAなどのプリペイドカードの支払に
ついてはその使用履歴を求められる場合がありますので、履歴を印刷しておくか、普段から使用台帳を作成して
おくといいでしょう。
また、個人事業から法人成りした企業等では、契約書や領収書が会社名義になっているか確認しましょう。
なんらかの理由で会社名義に変更できないものについてはその理由がきちんと説明できるようにしておきましょう。
外注費については、労務費と認定されると、「源泉所得税の徴収漏れ」「仕入消費税の控除の否認」のダブルパ
ンチとなる場合がありますので外注としての形態が整っているか(契約書の有無、指揮監督関係はどうなってい
るか、材料などの支給をうけていないか)を確認しておきましょう。
B棚卸し関係
棚卸資産が適正に評価されているかどうか。
調査時期と決算時では棚卸の数量等に違いはあるのは当然ですが、あまりにも量が違う場合にはその理由を合理
的に説明できるようにする必要があります。また、決算時に売上計上されていない工事等について、材料や外注
費が原価に入っていないかなど確認してください。
C源泉徴収簿
扶養控除申告はそろっているか、押印はされているかを確認します。(扶養控除申告書がでていない従業員に
ついては乙欄で源泉徴収が必要です)生命保険料控除や地震保険料控除、住宅ローン控除の証明書がそろって
いるか確認します。(証明書がない場合、控除がうけられず源泉所得税が増額する場合があります)
役員報酬の変更があった場合には、その旨の議決をした株主総会議事録がそろっているか確認します。
Dその他
自動車やコピー機などの売買契約書やリース契約書、賃貸契約書なども揃えておくと調査がスムーズにすすみます。
次回に続きます。