I.NPO法人になるには
NPO(非営利組織)には任意団体として活動している場合と、法人格をとって活動する場合があります。
【NPO法人の認証】
NPO法人になるには、都道府県または内閣府の認証が必要となります。
株式会社等の営利企業は登記をすれば法人となれます。一方、NPO法人は収益事業以外は法人税、住民税とも非課
税になるなどの優遇があるため、だれでもNPO法人となれると課税の公平性の観点から問題がある上、NPO法人
が暴力団等の不法行為を行う団体のかくれみのになるおそれがあるため、法人になるには認証が必要となるのです。
最近も生活困窮者を支援することを目的としたNPO法人が不正に生活保護費を受給して元理事が逮捕されたという
事件がありました。このNPO法人も実体は暴力団だったそうです。 NPOが法人として認証されるためにはNP
O法に定められた特定の非営利活動を行うこと、およびその活動が不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与するこ
とを主な目的とすることが必要です。
特定の非営利活動には保険・医療又は福祉の増進、まちづくりの推進、文化・スポーツの振興、国際協力、男女共同
参画社会の形成など様々な分野があります。
不特定かつ多数のものの利益というのは、その活動が会員だけの利益ではなくNPO法人の会員以外の人のためにも
なる必要があるということです。
その他、社員(会員)が10人以上いること、理事、監事のうち報酬をうけるものは3分の1以下であること、役員
の親族の数の制限などいろいろな要件があります。また、認証をうけ法人登記をしたあとも、適正な会計処理や事業
報告書の作成等が義務付けられています。
NPO法人の設立・運営にはNPO法人の設立・運営に詳しい行政書士や税理士等にアドバイスをうけるといいでしょう。
II.日本のバランスシート
▲依然として、ユーロ圏の財政不安は収まる気配がありません。それどころか、欧州全体へ波及し、実体経済への
影響も懸念されるのが現状です。「PIIGS」と財政悪化国をひとくくりにして伝えられることが多いようですが、
各国ともその事情は異なります。▲くどいようですが、先月号でも触れたとおり、それぞれが主権国家です。すなわ
ち、金融政策以外の財政をはじめとするその他の政策は各国に委ねられているわけですから、一朝一夕に解決とはな
らないはずなのです。せっかく、EUとして統合したのですから、この危機を何とか腰をすえて乗り切って欲しいも
のです。解決にはユーロ圏解体しかないと言う学者先生もいるようですが、個人的には統合のメリットの方がはるか
に大きいと思っています。上手な解決を期待しています。▲先月号では、GDPについて考えてみました。今回は、
わが国の貸借対照表についてです。そんなものが存在するのかと思う方もいらっしゃると思いますが、ちゃんと財務
省のホームページに掲載されています。ただし、07年度のものですが(
「国の財務書類」)。
▲疑問その1です。どれだけ信用できるのか。疑問その2は、公表にどうしてこんなに時間がかかるのか。国は、企
業にもその公表を求めていますから、万が一にも信用が疑われるようなものであってはなりません。さらに、企業に
はその期限が厳格に設けられているにもかかわらず、どうしてこんなに遅いのでしょうか。民間企業であれば、処罰
の対象になります。税務申告であれば、一日遅れただけでも大変なことになってしまいます。▲どうしても、私には
国の思惑が見え隠れするような気がしてならないのです。誰がどう見てもこの国の財政状況はひどいものです。ただ、
どれだけどこがそんなにひどいのか、その真実がわからないのです。もし仮に日本の財政が今現在破綻状況だったと
したら、何故、円高が進むのでしょうか。ソブリンリスクといいますが、わが国も本当にそうなのでしょうか。リス
ク回避で円買いということの説明がつきません。▲以前の号で、日本の財政について触れたことがあります。わが国
の財政に劇的な再建を望むのは無理です。だからこそ 、逆に、国民的な議論なく、安易な増税など決してあっては
ならないと思います。
III.3D技術の進化
映画「アバター」の大ヒットの影響もあって一気に普及が進んできている3D技術ですが、平面上に映した画像や
映像を立体的に見る方法は昔から研究されてきました。要は左右の目の視差で感じている立体感を人工的に再現す
るということです。これまで、異なる画像を左右の目で赤と青のフィルタを通して見る方式や、下の写真のように
2枚の画像を並べて左目で左の画像、右目で右の画像(またはその逆)を見る方式などがありました。
最近映画館で見られるものは1フレームごとの画像を細かく区切って右目用と左目用の画像を交互に並べ、偏光板
を使った専用グラスを使って見る方式が多いと思います。
今年になって続々と発売され始めた3Dテレビでは、左右の映像を交互に高速再生し、それと同期して交互に開閉
する専用グラスで見るフレームシーケンシャル方式が主流のようです。
PCでも3Dに対応したモデルが各社の今夏の主力商品になるようです。ゲーム機では裸眼立体視機能を備えた製
品が発表されました。
今後3Dが定着するかはコンテンツにかかっていると思われます。撮影機器や制作の技術も進歩し、サッカーワー
ルドカップの3D中継や2Dで撮影された旧作映画を3Dに変換してのリバイバル上映が行われています。家庭用
の3Dビデオカメラも発売されるでしょう。今後の動向が注目されるところです。
(Webデザイナー)
IV.身近な税金〜自動車の暫定税率〜
前回は、自動車グリーン税制(エコカー減税・エコカー補助金)について紹介しました。今回は、自動車に係る暫
定税率について整理してみます。
揮発油税等・自動車重量税・自動車取得税の暫定税率が平成22年4月1日以降廃止となりましたが、当分の間は
実質現状維持に近いものです。
★揮発油税等(ガソリン・軽油)★
当分の間は改正前の税率水準を維持します。ただし、原油価格の異常な高騰が続いた場合には本則税率を上回る部
分の課税を停止できるような法定措置が講じられました。
★自動車重量税★
今までの暫定税率と比べて約20%引き下げられたものになり、平成22年4月1日以降に車検証の交付を受けるものか
ら適用されます。例えば、自家用の乗用車は「車両重量0.5トン毎 6300円/年」から「車両重量0.5トン毎 5000円/年」
になります。ただし、車齢が18年を越えるものは平成22年3月31日以前の税率のままです。また、次世代自動車(ハ
イブリッド車や電気自動車など)については、エコカー減税が維持されるため、平成24年4月末まで免税されます。
★自動車取得税★
地球温暖化対策の観点から、当分の間、改正前の税率水準(取得価額の3%。自家用の自動車で軽自動車以外のもの
については5%)が維持されます。
(企業会計コンサルタント 比留川 益朗)
V.国内での差別問題
先日新聞で驚く記事を発見しました。インドでの差別問題です。インドと言えばカースト制度が社会的問題となっ
ていますが、それ以外にも差別が今なお起きているのです。
差別の対象(被害者)となっているのが、ミャンマーや中国などと国境を接する北東部出身者で、容姿や言葉、生
活習慣が東南アジアに近い事が差別の要因になっています。男性に対してはいきなり街で殴られる暴力事件、女性
に対してはセクハラや強姦事件が発生しており、警官までもが加害者側の肩を持ち被害届を受け取らない事態が起
きているというのです。あまりにもひどい状況です。差別をする側の意見としては、羊肉、鶏肉、魚でも何でも食
べる食習慣が我慢できない、また北東部の女性は必要以上に肌を露出しすぎである、との反論をしています。しか
し、だからと言って暴力や差別をする理由にはなりません。同じ国同士での争いほど、悲しい事はないと思います。
一刻も早く解決してほしい問題です。(朝日新聞 H22/5/19記事より)
日本でも前回の普天間問題で触れましたが、沖縄の人たちに対る心ない行動がなされているように感じます。ある
沖縄歌手が、沖縄は差別されているように感じます、と話していました。同じ日本人として心が痛みました。
私たちにできる事って何なのか考えていきたいと思います。
(ファイナンシャルプランナー 小林 裕美(旧姓:小池))