II.日本の財政状況を考える

 名実ともに新年度入りしました。非常につまらないことかもしれませんが、毎年必ずこの時期、私自身非常に  悩むことがあります。今後1年の計画なり目標というものは、年初にたてるものなのか、それとも年度が始ま  る前にたてるものなのかという問題です。  どちらでもよさそうなものですが、私の場合は、ほとんどグチャグチャなのが実情です。  そして、そのまま1年があっという間に過ぎてしまいます。  計画なり目標がまったく達成できないということではないのですが、どうも効率が悪いような気がするわけです。  さて、3月29日に内閣府から「社会意識に関する世論調査」が公表されました。  「国の政策に対する評価について」という項目の中に、「悪い方向に向かっている分野」という調査結果があり  ます。ちなみに、上位3項目は、景気、雇用・労働条件、国の財政となっています。上位2項目は、前回より改  善しているのに対し、国の財政が悪化しているとの回答は、約5ポイント上昇し、47.6%でした。  すなわち、国民の半分が国の財政を心配していることになります。  確かに、今年度の一般会計予算は、国債発行額が税収を上回るという異常事態なわけですから、当たりまえかも  しれません。  私も少し考えてみました。このままの状態で、日本の財政ははたしていつまでもつのか。  専門家の意見を集約すると、5年から10年という意見が多いように思います。日本財政破綻後のシナリオについ  ては、各メディアでもずいぶん取り上げていますし、本や雑誌でも紹介されていますのであえて触れるつもりは  ありませんし、そんなに悲観的になっても問題が解決するとも到底思えません。  この国の財政状態が画期的に好転することはないでしょう。それよりも、上手に付き合ってゆくということが、  最も現実的ではないでしょうか。  「一病息災」とはここでは不適切なたとえかと思いますが、わが国も、経済成長には様々な弊害が伴うという  ことをいろいろと経験してきました。そこから、学ぶべきことはいろいろあります。  あえて言えば、今後に生かすことのほうが多いのではないかと思います。

(財務アナリスト 浦邊 謙佑) HP:ぜいりし.com 浦邊剛至税理士・行政書士事務所