II.大丈夫か!朝青龍VS.小沢一郎?
元横綱朝青龍関と民主党幹事長小沢一郎氏の問題。連日、報道をにぎわせています。
いずれの問題も世間の関心が高く、この国の重要な課題が根底にあるわけですから、よく考え
なければならないことなのかもしれません。
私自身、子供のころからの大相撲ファンですし、政治に関心がないわけでもありません。
ただ、こういった報道に隠れてもっと重要なことが見逃されてはいないのかと思うと、時々ゾッと
してしまうのです。
「今国会に提出した資料によると、国債や借入金などをあわせた国の借金残高は10年度末には
973兆円」と朝日新聞が報じました。
さらに、米格付け機関は日本国債の格下げを示唆しています。
朝日新聞が報じたのは、財務省の集計ですから、財務省が「もうすぐ1000兆円を超えますよ」と
言っているわけです。
一方、今国会で審議される予算案はどうなっているのでしょうか。一般会計の歳出は92.3兆円。
歳入は税収が37.4兆円、税外収入が10.6兆円、国債が44.3兆円となっています。
歳出の内訳では、国債費が20.6兆円となっています。
国家予算ではピンとこないので、家計に例えた報道がなされたこともありました。
簡単にまとめるとこんな感じでしょうか。
支出を見積もったら923万円。そのうち、借金返済が206万円。
でも、家計の年収は景気が悪いので賃金カットされ374万円。
やむなく預貯金の取り崩しが106万円。
それでもやっていけないので443万円借金しなければいけない。
家計の見直し=事業仕分けを一生懸命やったんだけれど、支出はあまり減らせませんでした。
さらに詳しい内容は、財務省のホームページに掲載されていますので誰でも簡単に見ることができます。
財務省に限らず、総務省の統計局などでも興味深いものが掲載されていますので、一度ご覧いただくと
面白いと思います。使えるデータ満載です。
さて、予算といえば、税制の問題です。
08年はねじれ国会のなか、税制改正がままならず、ガソリン税の暫定税率が期限切れしてしまいました。
ガソリンスタンドに殺到する車の列ができたことを思い出します。
政権交代のあった今年は、私自身さらに注目していることがあります。
すでに議論も始まっていますし、おそらく、今後大きな議論になるのではないかと思っているあの問題。
勘の良い方はもうお気づきかもしれませんが、あの問題です。
そう消費税率の検討に言及した「税制の抜本的な改革に係る措置」という所得税法の附則の取扱いです。
少し、専門的な言い回しだったかもしれませんが、簡単に言えば、「景気回復後は消費税率を上げますよ」
と法律に書いたわけです。
民主党は昨年の総選挙の際、消費税の問題は封印し、鳩山総理も4年間は消費税の増税は行わないと明言
しています。
その公約を実現するためには、この附則はどうするのか。
この国の将来のため、キチンとした議論をして欲しいと思います。
「税こそ政治」。私は以前このコーナーでこう申し上げました。
鳩山総理も同じことを言明しています。ぜひ、活発な議論を期待したいと思います。