II.金融リテラシーを高める考え方の習慣
趣味の話で恐縮ですが、私は将棋の公式戦観戦が大好きです。
私が好きなのはあくまでも観戦であり、実際に自分で対局することではありません。
将棋を自分で指すことではなく、他人の対局を観戦することなのです。
この趣味は、自分でもチョット変わっているなと感じています。
特に、私が面白いと思うのは勝敗が決まった後です。
その対局について「ああだこうだ」と検討が行われます。これを感想戦と呼んでいます。
将棋というゲームは、勝敗を決するゲームですから、一方が勝者であり、他方は敗者です。
普通の感覚であれば、勝った方は嬉しいわけで、負けた方はその逆のはずです。にもかかわらず、
その現場では、どちらが勝者でどちらが敗者なのかよくわからないということがよくあります。
プロ野球元監督の野村氏によれば、「負けに不思議の負けなし」ということですから、負けた原因は
どこにあったのか。おそらく、そういった研究をしているのかもしれないのだと思います。
つまり、勝敗そのものが問題ではなく、どうすれば最善を尽くすことができたのか。
それが、一番重要だと教えてくれているような気がするのです。
それは、どんな職業に就いている人にとっても同様のことが言えると思います。
まず、目標なり計画を立てそれを実行する。結果はどうだったのか。うまくいくこともあるし、
失敗することもあるはずです。問題は、ここからです。どうして、うまくいったのか、あるいは、
失敗したのか。特に、うまくいった場合はその検証が不十分な場合が多いような気がします。
失敗した場合は、その原因を他からも求められるでしょうし、当然自分自身も良く考えるはずです。
しかしながら、うまくいった場合はどうでしょうか。
このコーナーでは、「金融リテラシー」が重要だと、ずいぶん取り上げました。
どうしたらこのリテラシーを高めることができるのか。こういった考え方の癖、というよりは習慣
が役に立つのではないかと思います。