II.約束が違う?! 企業年金の「破綻」
今回も引続き、年金の問題を取り上げます。
最初に、前回のおさらいをします。
@年金はざっくりいって三階建てになっていて、一階・二階は公的年金の部分。
A公的年金は、各人によって加入する制度が異なるので、自分の現在までの加入状況をしっかり確認
しておくことが重要。
B三階部分については、従来は企業等が将来の給付額を約束するのに対し、今後は将来の年金給付額
は自分の運用成果で決まる時代になり、それには金融リテラシーが不可欠。
先月も、日本航空の経営再建問題で同社の抱える企業年金が大きな足かせになっていることに触れました。
実は同様な課題を抱えている企業は数多いのです。例えば、米国のGMがそうでした。
本来は、年金の給付額が約束されていたにもかかわらず、現実はどうか。
将来の年金は約束されている。という理由で、その企業に就職し、必死に働いてきた方も多いはずです。
その約束が、現在の企業状態によって反故にされそうになっています。
過酷な表現かもしれませんが、「自分の身は自分で守る」という時代なのだと思います。
時の超一流企業といえども、将来はわかりません。
いつ、誰が、日本航空OBやGMの方々と同様の立場になるかは予見することはできないからです。
では、どうすればいいのか。
まず、公的年金。「年金破綻」などというテーマの書籍も数多く目にしますが、私は、そんなことはない
と思っています。何をもって「破綻」というのかわかりませんが、給付水準が下がったりということが
あったとしても、公的年金そのものの給付が全くなくなることはありません。ただし、逆説的な言い方
かもしれませんが公的年金だけでは、若い世代の方たちの将来の生活設計はままならないということは
容易に推測ができます。
今月号でも、メインストーリーで「資産運用」について触れていますが、公的年金+「じぶん年金」。
これがキーワードだと思います。
では、「じぶん年金」とはどうすればよいのか。実は、国でも既に様々な仕組みを準備し、実際に施行
されているものもあります。不十分な部分もありますが、今後、拡充されることは間違いないと思って
います。
次月以降は、その内容について触れていきたいと思います。