I.資金繰りは余裕を持って

  厳しい経済環境が続く中、資金繰りに苦労されている経営者の方も多いかと思います。  売上が下がって現金収入が減っても、給料や家賃等の固定経費の支払は待ったなしです。  経営者が個人の預貯金をとり崩して、支払いにあてている場合も多々あるようです。  個人資産も底をつき、どうにもならなくなった時点で融資のご相談にこられる経営者の方がいらっしゃいます  が、もう少し早くご相談に来ていただけたらよかったのにという事が少なくありません。  融資を行う金融機関は、本当に返済能力があるのかを厳しくチェックします。  月々の支払は滞ってないか、社長の個人資産はどのくらいあるのか、月々の利益はどのくらいあるのか。  流動比率(注1)はどうか。  など、様々な項目をチェックします。  資金繰りに行き詰ってから、融資を申し込む場合、月々の支払が遅れていたり、社長の個人資産が底をついて  いたり、流動比率が悪くなっていたりして、融資の審査が通りにくくなります。  借入をすると支払利息を支払わなければならないため、借入を迷ったり、早く返済してしまおうとする経営者  の方もいますが、本当に資金繰りに余裕がある場合を除いて、早めに借入を考えた方がいいでしょう。  借入を検討する目安としては、業種にもよりますが預貯金が月々の支払金額の3ヶ月分を下回るようでしたら、  借入れをご検討してみてはいかがでしょうか。   注1:流動比率(1年以内に支払わなければならない債務に対して、1年以内に現金化できる資産がどのくらいあるのか)

(CFP 廣崎 英子)


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